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魔王様!?桃源郷(ハーレム)創成記!  作者: 日鏡ロイ
12章 輝龍祭
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『実体のある武器など、魔法では作れないはず……お前、まさか超能力者だとでも言うのか!?』


「んー、そのへんは良く分かんね。っと!」


ザシュッと音を立てて敵を斬り払う。槍といえど、槍先はかなりの長さをしているので、剣のように振ることも可能なのだ。そして、纏った焔が敵を跡形もなく燃やし尽くす。


こういうのって使っても違反にはならないよな?うん。


だって分身だし、燃えてるの。



「あー、あと、もうお前らの攻撃パターンも分かったから、降参しても良いぞ?多分、兄貴がもう俺に近づくことはできねぇから」


『はっ、何を言って……』


「分身する超能力。それが弟の能力。だが、その能力の欠点は、ただの分身を生み出すだけ。焔の攻撃を受けた時と氷の攻撃を受けたときで少し音が違う感じがしたから、恐らく氷系の魔力が主な構成要素となった分身だな。だから数は多くても攻撃力も防御力も無いに等しい」


『なっ…?』


俺の言葉にたじろぐ兄弟。俺は近くの兄弟を一体、一突きして消滅させる。兄弟が消滅するさいに水蒸気のような物が目に見えた。


「じゃあ何故俺は攻撃を受けたか?それは兄貴の方の能力だ。恐らく身体強化の類いだな。双子という利点を生かし、分身の中に紛れて俺に攻撃をしていた。しかも全て死角からの攻撃だ。でも、今は俺の周りには弟の分身は少ない。安全に攻撃することはできないってことだろ?」


『……はん、バレちまったか。

そうだ、俺の能力は一撃の攻撃力を極限まで上昇させる』


『そして俺の氷分身の超能力で兄貴をカモフラージュさせて攻めるのが俺たちのパターンさ。

まぁ、それがバレたところで兄貴がどこにいるかバレなければ……』



『問題ないんだ……よっと!!!』



ガキィッ!!


分身の増加と共に兄と思われる者が攻撃を放ってきた。かなりのスピードと威力持っている。だが、それは先程何度も受けてるから知ってるんだよ。


『ちっ』


「伊達に何発も受けてねーよ。てめぇ脳筋だろ?」


俺の前で槍の柄と拳をぶつけている兄に俺は空いている方の手で掌底を打ち付ける。鳩尾一直線、いい感じにハマったな。


『ぐっ、お前は運動神経が極端に悪く、肉弾戦には弱いはず……!』


「それさー、ちゃんと調べたのか?俺が苦手なのは『球技のスポーツ』だぜ?」


ーー


「(あれは……クルセイドの槍?)」


エリアで繰り広げられる混戦の中心にいるのは、焔を纏った黒い槍を持ったレン=アクセル。


分身した兄弟を次々と突き刺していく。それも慣れた手捌きだ。経験者?いや、それにしてはあまり上手くないですわね。


「何あれ?初めて見るわね」


隣で観戦していたミイ=レストルトが珍しそうに声をあげる。


「どうしてあの男は武器を……?」


「ポケットから出したんじゃない?なんか四次元ポケットなのだぁーとか言ってたし」


ミイが真顔で答える。


「はぁ?あなたって見た目通り『バカ』なのですわね?」


「は、はぁ?誰がバカなのよ!あんたなんてカバみたいな胸してるじゃないのよ!」


「その発言も込みでバカですわね。

通常、武器に魔法を付与するのは超能力を介さないと不可能ですわ。私どもの財閥もなんとかして魔法付与可能な武器の作成実験を行ってますが、まだ成功してませんもの」


私はミイの文句を軽くスルーして説明する。朝会った時も感じたが、挑発に乗りやすいタイプなのだろうか?


胸を気にしてるみたいなので、腕を組んで少しボリュームを出してみる。


するとミイは額に青筋を浮かべながらも笑顔で答えてきた。


「はんっ、それくらい知ってるわよ。ま、あいつはそんな定理に収まるような奴じゃないし。なんてったって自称魔……」


ハッとしたような顔を浮かべると口を手で押さえて黙り込むミイ。何か言いかけたように思えてしかたがない。


「どうしましたの?彼が自称魔?ってなんですの?」


「いや、別にあんたには関係ないから良いでしょ」


「私は気になったことはトコトン追求するタイプですの」


ズイッとミイの方へと身を寄せて尋ねる。すると胸がさらに強調されて制服のボタンが一つ外れてしまう。別に千切れた訳ではないが、面倒なのでそのままでいいですわね。


「さぁ教えて下さいませ!」


「う、鬱陶しいのよ!この乳デカ淫乱お嬢様がぁ!私はねぇ、基本的に巨乳にはアレルギー反応を起こすのよ!分かる!?毎日毎日半端じゃない大きさの姉が隣でボヨンボヨンしてるのよ!?そりゃアレルギー反応も起こすわ!」


「それは可哀想ですわね……ならハーゲリオ財閥の最新技術で胸を大きくしてさしあげてもよろしいですわよ?」


「え!?本当!?……って今はそんなのどうでも良いから!

だいたい今、レンとエレナが試合中で……」


一瞬笑顔になったミイだったが、我に返ってグイグイ迫る私を押しのけてステージに目を向ける。


すると……



「な、何よあの炎!?」


「まさかあれは…!?クルセイドが使っていた炎と一緒の……!?」



レン達が戦っていたエリアが巨大な火柱で覆い尽くされていた。

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