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シード 山の麓の家
「ミイ、何かお前顔色悪くないか?」
「……別に。ちょっと寝不足なだけよ」
「だからちゃんと宿題やっときなさいって言ったのに……」
ミイは昨日、かなりの時間居残って学校で宿題をしていたらしいが、終わらなかったので家で続きをしていたらしい。
エレナはミイに少し怒りつつも、朝食の準備を終わらせる。
「今日は俺たちの大会があるんだから、見てる時に倒れたりすんなよ?」
「分かってるわよ。それよりあんた達は勝てそうなの?」
「まっ、楽勝かな」
俺はニヤリと笑みを浮かべる。優勝したら女の子からモテモテ……じゅるり。
「レン、牛乳が口から垂れてるよ」
「おぉ、寝ぼけてた」
今日は輝竜祭の1日目。祭りは2日に分けて行われるため、1日目は大会の予選的な感じだ。
決勝やエキシビションは明日行われるのだ。
さすがに寝坊する訳にはいかず、俺はいつもより早めに目を覚ますと制服に着替えていつものバッグにお菓子などを詰めておいた。このバッグは魔法によって内蔵量があり得ない位に多くなっているため、前回買った服などもかなり入っている。
これ一つで野宿も楽勝な位だ。
「プリンも入れとくかな」
「ニャ!?」
飯を食い終わってミイやエレナの準備が終わるまで暇だったので、黒猫のプリンを引っ掴んでバッグの中に入れた。
中はかなり広いので大丈夫だろ、多分。
「んじゃ、行きますかね」
「うん、優勝景品で焼肉食べるぞー!」
「お姉ちゃんそれが目的だったんだ……」
そうそう、焼肉食べてもっと豊胸して……ゲフンゲフン。
それぞれの準備を終えた俺たちは、しっかりと家の鍵をかけてから輝竜祭の行われるシード中央ドームへと向かった。