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ーー
その頃のミイはというと……
「はぁーっ!終わったぁあ!」
レンの部屋の椅子に座り、シャーペンを持った手を上に突き上げて歓喜の声をあげる。おそらく徹夜になるだろうと覚悟していた宿題が、レンの終わらせた宿題の答えを写すことで回避することができたのだ。
ミイはそのままシャーペンを机の上に乗せるとレンのベッドに寝転がった。椅子に長時間座って勉強(というなの模写)するのもなかなか疲れるのだ。
「……スン……あいつの匂い……」
ベッドに転がったミイはレンが使用している毛布を手元に寄せると目を閉じた。その頬は心なしか赤いようにも見える。
『(あらあら、ミイちゃん……何てことを…)』
黒い球になっている魔王『クルセイド』の片割れ、ホムラはベッドに寝転がるミイを見て興奮した声を上げる。
『(レンさんのベッドで……自分を慰めてるんですね……)』
ただ単にミイは疲れたので眠っているだけだが、レンの毛布を抱きしめて眠る彼女がそういう行為に走っているように見えなくもない。
『(私もそっちに行きたいです……)』
ホムラは淫らな声を上げるとベッドの上のミイを見ながら妄想を膨らませるのだった。