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「というわけだ」
「別に何も説明してないよね?」
エレナのハリセンの如く的確な突っ込みを受けた俺は、何故魔法の強さが上昇したのかを軽ーく説明した。
チャットで美女と相談したっていうのは伏せてである。
「ふーーん、ってかあんたってまだ魔王とか言ってるの?」
「頭が高いぞロリっ子、我は正真正銘デスパイアを支配せし魔王様である」
ちなみに記憶喪失になってからは違う世界で魔王をしてたって設定である。俺は…っ、魔王であることに嘘はつきたくねぇっ…!
「黙れクソ豚ドM魔王が」
「ぷ、ぷぎぃぃ!!目覚めるぅぅっ!」
高圧電流である。非常に……快感……じゃなくて痛い。
「なるほどね。
あ、そうそう、レン君は明日からまた復学してもらうからね」
まるで俺達の争いを金魚が追いかけっこをしてるかのように、興味無く見ていたエレナはそう告げる。
……復学ってなんぞや?
「レン君は行方不明になってからは学校に行ってないでしょ?だから年齢にあった学校にもう一度通うの。
さっきレン君が覗いてた学校が明日からいく学校だよ」
ふむ、俺もエレナ達と一緒に学校へ行くのか。
……マジか。
「何でそんな簡単に俺が通えることになるんだ?長い間行方不明だったんなら大騒ぎになるだろ?」
「それは……まぁ良いじゃない!
とりあえず明日の為に制服を買わないとね!」
エレナは誤魔化すように話題を変える。
臭う…臭うぞ!事件の臭いだ。
「あー、服なら別にいいや」
「え?どいうこと……って…きゃっ!?」
カチャカチャとベルトをいじるとズボンがストンと床に落ちた。そのあと上の服を脱ぐと、俺の姿はパン一にマントっていう変質者そのものだ。
「学校の制服ってのを見せてくれ」
「変態服きろ」
「安心しろ、ロリっ子は巨乳を堪能してからにしてやる」
「失せろ」
「ぷぎぃぃぃぃ!?ツンデレ萌えぇぇぇっ!」
「はいレン君、これが学校の制服の画像だけど……」
高圧電流に悶えている俺にエレナは何か小さな箱?的な物に制服を着た男子の写真が写っているものを見せてくれた。
「さぁマントよ!制服になれ!」
俺が一言そう命じるとマントは布の擦れる音を立てて、俺の身体にぴったりサイズの制服へと変化した。