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「ちゃんと着替えてきたわね……ってシャツはそのままかいっ!」
「後で何枚も洗うの面倒だからこれで良いんだよ」
「……人間兵器……ぷふっ……」
トゥエルも笑ってるよ!?あの無表情がデフォのトゥエルが吹き出しちゃってるのよ!?
薄い青のジーパンに上は白Tシャツにデカデカと『人間兵器』と書き込まれた姿のフィフス。正直意味の分からないファッションセンスをしている。普段は黒のTシャツにジーパンだけ、などのシンプルかつ大人しめの服装なのに今日のはシンプルだが少しおかしい。
「変かな……じゃあ『赤髪艦隊』のTシャツで……」
「そのままでいい!」
先ほど彼がプレイしていたゲーム『艦隊コレクト』のイラストTシャツ的なのをどこからともなく手にしたが、これを来て出掛ければ完全にこの子はヤバい目で見られる。
「ほ、ほら!早く出かけるわよー!」
フィフスの服は街で買えば良いか……
私はそう決めるとトゥエルの手を引いて玄関へと向かっていく。フィフスの服装は水色のワンピースという涼しげな格好。童話に出てきそうなほど可愛い。私、トゥエルのこと可愛いしか言ってない気がする。フィフスがいなかったらトゥエルは持ち帰って妹にしてるわよ?多分。
「……街……どこ…?」
「ここから近いし、朝比奈に行こうと思ってるの」
「……アイス…食べる……」
「そうね。じゃあ最初はアイス店に行こうかな」
「……クソネミ……」
コクコクと頷くトゥエルと文句を言うフィフスを引き連れて私は朝比奈へと向かうのだった。