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「へいへいへーい!遊びにいこうぜぇぇえ!」
「ニャァァア!」
リビングに入ると俺はソファに飛び込みながら二人に声をかける。古びたソファはギシッと音を鳴らすが俺の体重くらいは支えられるようだ。この家、以外とボロいからな……あんまり暴れると壊れちまいそうだ。
「ふぅ……よし、良いよレン君。ちょうど今終わったところなんだ」
「さっすがエレナ!」
机の上に置いてある紙の束を整理し、エレナは俺の方へと歩いてきてソファに座る。プリンは俺の頭から降りるとエレナの膝元に乗っかった。やっぱり女の子が好きなんだな、こいつ……てかプリンって雌だった!
「いやぁお疲れ様ですぅ……肩揉み致しますねぇ……」
「ありがと!……ぅー、気持ちいい……」
ソファに座るエレナの後ろに立つと肩を手のひらで揉んでいく。時々エレナが漏らす吐息がエロい!そして水色の髪をポニーテールにしているので、うなじが見えて凄く良い!
「それでですね、僕、シードの中心街にある例のアイス屋に行ってみたいんですよ」
「んっ……うん、良いよぉ〜……宿題も終わった行こっかぁ……」
「(しゃぁぁぁあ!!あのスペシャル山盛りセットが食いたくてたまんなかったんだよなぁ!)」
ガタッ!
「あ……」
「私も行くわよ」
机に噛り付いて宿題をしていたミイが立ち上がると俺たちの方へと近づいてくる。
「は?宿題終わったんすか?」
「くっ……終わってない……けど」
「じゃあ宿題やったらどうなんすか?」
「気になって集中できないのよ!」
「知らね」
「……」
バチチチチチッ
青い電流がミイの身体を包み始める。 ヤバい、キレたなこりゃ。
しかも魔力濃度高すぎじゃねぇか!? 流石にこれが直撃したら俺でも大怪我じゃすまねぇぞ!?
「ちょ、ちょっと待ってくれよ!ミイが俺のパソコンばっかり弄って勉強しなかっからだろ!?」
「……そうなのミイ?」
ビクゥッとミイが電流を流すのをやめて冷や汗をかき始める。
まずい、エレナから恐ろしいオーラが……
「そ、そそそれは結構前の事よ!?ネットに繋がらなくなってから触ってないもん!」
俺の言葉に大慌てで修正を入れるミイ、ここまで慌てふためくのは久しぶりにみるな。おもしれぇ……
「えー、チャットばっかりしてたもんなぁ……なぁ聞いてくれよエレナ。こいつチャットの名前『美」
「どっせぇぇぇぇぇぇぇぇえええいっ!!!!!!」
「ぶぎゅぉぉぉあっ!??」
ミイの顔面めり込みパンチが炸裂。
あり得ない速度で俺は部屋の壁にぶつかって地面に倒れこんだ。
「あれー、ど、どうしたのかなー?暑さで頭おかしくなったみたいだよー?」
グリグリグリッ
「あひぃぃいっ!?素足で踏まないでぇぇえ!」
ミイの小さな足の裏で頭を地面に踏みつけられる俺。
やべぇ、気持ちよくなってきた。
目 覚 め る よ ☆
「とりあえずミイは留守番しててね。ちゃんと宿題終わらせたらお土産かってくるから」
「う……」
「分かった?」
「はぃいっ!」
エレナがハリセンをソファの影から覗かせるとミイは俺の頭から足を離して急いで机に座って宿題を始めた。
ふぅ……気持ちよかったぜ……