表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王様!?桃源郷(ハーレム)創成記!  作者: 日鏡ロイ
10章 黄金の機械龍
252/356

10 20

統治機関〈研究ルーム〉


バタバタバタッ!!


「は、博士!大変です!」


「どうしたんだい、そんなに慌てて」


真っ白な部屋に慌てて入ってきた研究員らしき男は、1台のパソコンと向き合っていた白衣の男に手に持っていた資料を急いで読み上げる。


「ほ、本日、午後14時半頃に厳山で火山噴火を確認。圏外で起きた自然現象のために都市圏には影響がない模様……」


「なら別に慌てる必要はないだろう?もし火山灰が流れてきたとしても、バリアフィールドを展開すれば済む話さ」


白衣の男は机に置いていた紅茶を啜ると研究員の方へと向き直る。ニヤニヤした人を馬鹿にするような顔つきだ。統帥と話すときは流石に顔を引き締めるのだが、研究員などと話すときはいつもこういう顔になる。


「そ、それが……」


「あ、分かったよ。『ドラゴン再生計画』だろう?大丈夫さ、黄金の龍ファーブニルはマグマでも溶けない鱗を持っているのだからね」


男は紅茶を置くと更にニヤニヤ顏を歪める。ファーブニルは彼が昔、ハーゲリオ財閥の社長と取引をして手に入れたフィギュアを元に未原細胞を使って再生したものだ。同じようにそれのクローンを作ってみたが、あのフィギュアだけしか成功できなかったのは悔しかったが。


「それが、同時刻にファーブニルの素材用廃棄処分兵器を投入しにいったステルス搭載爆撃機が捉えた映像に、ファーブニルが真っ二つに両断される映像が……」


「……へぇ……」


男はニヤニヤ顏をやめない。


それどころかさらにニヤニヤ顏が歪み、何がおかしいのか笑い始めた。


「は、博士! 映像が捉えたのは、第一高等学校の柊菜=ユクリエリッド=ハーゲリオ令嬢が自身の剣技によってファーブニルを殺した場面でした……」


「はは……ははは!!面白い!実に面白い!!」


男は立ち上がり笑い声を上げて研究員から資料を奪い取る。


「ふはは!!謎の人物によるステルス爆撃機の15体同時破壊と魔王『クルセイド』の生存不明、レン=アクセルによるクラーケンの瀕死状態、そして今度は柊菜=ユクリエリッド=ハーゲリオ令嬢によるファーブニル殺害か!!


どれも統治機関が生み出した兵器の中で最高クラスのものだ!!それを意図もたやすく……くく」


「は、博士…?」


白衣の男は白衣を脱ぐとイスに引っ掛ける。


「くく……少し、機体と彼女の調整に行ってくる。

この資料は僕が預かっておくよ」


例の機体と彼女、彼らの『サーバー』も点検しなければいけない。特に彼女はまだ不安定だから、より慎重にな……

それに、彼らはシード最強の人間兵器。手放すには惜しい人材だ。



ふはは……!これじゃあ例の計画も何か支障が出そうだ! 統帥と相談しないといけないな!


男は『無表情』で研究ルームを後にした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ