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ホテル ユウの自室
「さて、皆ちゃんと集まってくれたかな?」
「皆といっても3人だけですわよ」
「ちゃんと刀音も来ているぞ」
「このパン美味しすぎて持ってきちゃった!」
神無と柊菜はシャワーを浴びたからかシャンプーの良い匂いを漂わせている。刀音はパンを持っている。
「全員剣を顕現させてくれないかな」
「分かりましたわ」「あぁ」
「私そんなのできないよ?」
「刀音以外ね」
神無と柊菜はそれぞれ『滅神剣』『紫電』を顕現させて手に持つ。
「うん、やっぱりだね。
『滅神剣』はそろそろ次のステップにいかないとダメかな。
『紫電』は……やってみないと分からないけど」
「どういうことだ?」
僕は先程まで考えていたことを2人に話す。
「ホムラとの闘いで神無は限界を感じたんだよね? というか元々君は魔力量は高いんだけど、繊細な調整は正直下手くそだ。
だからそれを修正しないといけない」
「なっ、私がパワー馬鹿の脳筋女だっただと……!」
「そこまで言ってないと思いますわ……」
神無は剣を落とすと床に崩れ落ちる。 剣は床に突き刺さってしまっている。……そういうところが脳筋だと思うんだけどなぁ……
「『滅神剣』自体がパワー重視だから仕方ないんだよ。 それを初めて顕現させた時は魔力量しか頼れるものがなかったからね」
「そういえば初めての顕現の時はユウと一緒だったな……」
「だから『滅神剣』を進化させよう!」
「へ?」
神無と柊菜は訳がわからないと言いたげな顔をしていた。