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クソ……俺はトゥエルがいないと対した能力のない役立たずってことかよ……!
シルヴィアの言おうとしていた事が今ようやく分かった。
トゥエルとのリンクが完全に使えないのは今回が初めての為、俺は思い知らされた。
「……ダメだ」
「あれ?まだやるの?」
「例え『ファイブオーバー』が無くても、俺はトゥエルを守れるだけの強さがいんだよ!」
膨大な魔力が一気に生成される。
今まで生成したことのない位の量だ。
「ちょ、嘘!? そんなに魔力量あったっけ!?」
「……まだだ」
更に魔力量は上昇を始める。
この状態で『ヘルブレイズ』を放てばかなりの威力を期待できるが、恐らくシルヴィアは軽々と消滅させるだろう。
「はぁぁぁっ!」
魔力は全身に血液の様に流れていき、俺の身体全てが魔力によって満たされる。
「な、何、その姿……?」
「……すげぇ…全身から力が……」
心は静かなのに身体は動きたがって仕方が無い。 これは『キマイラ』と闘った時によく似ている……
でもあれは確か『ハイシンクロ』の同調率が90%を超えたからなれた筈だ。
今はトゥエルとの同調率は0だ。
「……なるほどね、全身に魔力を通わせることで活性化してるのね。
でもそれには生体エネルギーと魔力の自由交換が必要になるはず……」
「……いくぞ、『インフェルノ・ヴィン』」
ここからが俺とシルヴィアの本気の闘いだ。




