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「親御さんはいないのかしら?」
「お兄さんとお姉さんがいるんだけど喧嘩して隔離エリアに行っちゃった」
セレナはトゥエルに薄いシーツをかけてあげると頭を撫でる。
その寝顔は熱のせいか少し頬が紅潮しているが、それも含めて俺に庇護欲湧きたせる。
あぁ!眠ってるトゥエルちゃんマジ天使!!
「じゃあエレナの検査の準備しにいってくるわね」
「はいはいはい!僕も見に行っても宜しいでしょうか!」
「え……大丈夫だけど、どうしたの?」
「あー、こいつ機械オタクっていうか最新設備大好きバカだから気になるみたいよ」
ミイが小馬鹿にした様な説明をしていく。非常にムカつく言い方なんだが。
「じゃあエレナとミイはトゥエルの様子見ておいてね。
準備できたら呼ぶわ」
「はーい。 ミイ、宿題でもやっとこう」
「うぅ……」
「はっはっはっ!頑張れよぉぉ!」
「だから声がデカい」
「ほっ」
ミイの強烈な顔面パンチを避けると俺はセレナに続いて部屋の外へと出た。
「さっ、ここが研究室よ」
「隣ですやん」
てっきり研究所の奥深いところまで行くのかと思っちゃったよ!