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「うーん、理屈をごちゃごちゃ言われてもなぁ……」
リビングのテーブルでパソコンを閉じると魔法を使うために家の外に出た。
エレナに怒られてから寄り道せずに真っ直ぐ帰ってきたのだ。
よくよく考えればデスパイアにいたころ、俺は魔法は自然と使えていた。
属性付与しない魔力の塊を敵に当てるだけで魔物は消滅するくらいだ。
別に魔力を練れる量が減ったんじゃない。多分だが、練った魔力が強化できなくなったんだ。
「味付けされた米……プスーッ!
例えがガキ過ぎるだろ!」
俺は魔力を練る前に火属性の属性付与を施す。
で、そこに魔力注入。
「うほっ!いい感じの炎でたっ!」
手には身長と同じサイズの炎の槍、『プロミネンススピア』って呼んでる中級クラス魔法だ。
前なら魔力を練ってから魔法発動をしていたが、今回は炎の槍のイメージに魔力を注入した。
「もっと他の魔法も使えそうだな……」
「ニャッ!?」
草むらでプリンに追いかけられていた虫に槍を突き刺し、他の魔法の練習にはいった。
「そ、そろそろ疲れたわ……」
「ニャァ」
火木水光闇の5属性の魔法の練習をそれぞれ行い、さらに2属性混合魔法の練習をした。
あ、ちなみに魔王モードではもっといけます。
「何でこんなに弱くなっちゃったんだろな……」
「ニャァァ」
草むらに寝転ぶ俺を励ますかの様にプリンが擦り寄ってきた。
女の子には会えないしマッチョには殴られるし散々な一日だったな……
ちょっと……一眠り…し…よ
「ぐがががぁっ…」
「ニャァーォ…」
プリンも小さく欠伸をすると魔王の腹の上で丸くなった。
『どうして魔王様は人間ではなく魔物を殺すのですか?』
『別に……
今は魔物の方が悪だから…かな』
『……そうなんですか?
なら人間が悪になれば魔王様は人間を殺すんですか?』
『さあな、でも……
君は殺さないし殺させないよ』
『俺のハーレム要員だからね』
恥ずかしい昔の俺の夢ぷぎゃぁぁっ!