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ミィーンミンミンミン
決して木が多くないと言えるシードの都市圏。 それでもセミが鳴いている地域は少しはある。
「あぢぃ……」
「ニャァ……」
エレナの家は山の麓にあるので木は多く生え揃っていて、勿論セミも生息している。
俺は扇風機の前に転がりながらぼんやりと窓の外を眺める。
「暇だぁーー」
「宿題でもしたらどうかな?」
「ダメよこいつ、全部昨日終わらせたみたいだし」
「えっ!そんなに早く!?」
「まぁなー なぁプリン?」
「ニャァ」
学校の宿題は昨日徹夜で終わらせた。 知らない知識を蓄えるって楽しぃぃっ!
ちなみにミイもエレナもまだまだ残っているらしく、今もリビングの机でがりがり勉強していらっしゃる。のろまなメス豚共だ。ぷぎぃぃぃっ!!!!!
「ねぇ、今すんごい不愉快だったんだけど」
「それは私も同感だね」
「テ、テツダッテアゲヨウカナー」
冷や汗をかきながら俺は2人に声をかける。
「私のは学年が違うから分からないと思うよ?」
「それもそうだな……部屋でパソコンでもいじっとくよ」
俺はそう言うとリビングから部屋へと戻って行った。
「答え写させてくれてもいいのに」
「自分でやるのよミイ 」
学校では成績上位のミイも、この大量の問題を解くのには時間がかかるのだった。