208/356
37
統治機関
「統帥、実験は終了しましたよ」
「あぁ、モニターで見ていた。
『クラーケン』『キマイラ』は処理できたようだな」
「はい、No.05が『キマイラ』を。
何故かレン・アクセルが『クラーケン』を痛めつけていたので、『ステルス機能搭載未現細胞製無人爆撃機』を使用して消滅させました」
「また彼か……」
「えぇ、それに彼の周りには気になる人物が……」
白衣の男はパソコンのモニターにその人物の画像を表示する。
それを目にした統帥はニヤリと怪しい笑みを浮かべた。
「……はははっ、面白いことになりそうだ」
統帥はパソコンの画面を撫でると部屋を出て行った。
「ブルーパージ計画は成功。
負傷者は研究員のみ……と。
『クルセイド』は行方不明。
生体反応は見られず……」
白衣の男はパソコンに『ブルーパージ計画』と書かれたレポートを表示して情報を書き込んでいった。
「ふふ……もう少しですよ…」
白衣の男はパソコンを閉じると統帥と同じように部屋を出て行った。