33
南国リゾート地 〈フルード〉
「いやぁぁぁぁぁぁっ!!!」
クラーケンに捕まっているミイが叫び声を上げて助けを求める。
既に身体はクラーケンの体液のような物でヌルヌルになっている。
「『五属性魔法陣』」
俺はそんなミイを目に入れながら魔力を大量に精製していく。
すると五つの魔法陣が五角形にクラーケンを囲む。それぞれ異なった色に文字の魔法陣だ。
「『燃』」
一つの魔法陣から巨大な火柱が発生。 ミイを掴んでいた脚を次々と燃やし尽くす。
「『輝』」
光線が放たれ、ミイを拘束していた脚が全て焼滅させられた。
「『茂』」
海底から大量の木々が発生、クラーケンを串刺しにしていき、海上にクラーケンが晒される。
「『流』」
シュォォォォッ!!!
高水圧の水砲がクラーケンを切り刻んでいく。 木によって拘束されているため回避することはできない。
「終わりだ『虚』」
全ての魔法陣が点滅すると真っ黒なオーラをゆっくりとクラーケンに放つ。
そのオーラはクラーケンの体内へと侵入していき、徐々にクラーケンの身体に侵食していく。
このあとクラーケンは大爆発を起こす。 それがこの魔法、『五属性魔法陣 絶の型』の効果だ。
既にクラーケンの半分以上は黒のオーラによって侵食されている。
「ぶはぁっ!!し、死ぬかと思ったわ……」
「びしょ濡れ乙」
「で、どうなるのこのあと?」
「爆発する」
「は?」
が、この闘いの結果は予想とはほぼ遠いものだった。