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突然開けた視界に目が慣れていなかったので、赤い目を少し細める。
身体を包んでいた黒い波動は細切れになって霧散していた。
「ナンダ、ソノチカラハ?」
キマイラは俺が出てきたことに驚いたのか、攻撃をせずに尋ねてきた。
「ソノ…スガタハ!?」
俺の姿は先程と少し違っていた。
いつもは赤い髪は目にはかからない程度に切ってあるのだが、今は完全に鼻の辺りにまで伸びている。
その髪は少し赤黒くなっている様にも感じる。
「さぁな……こいよ」
「コノ、シニゾコナイガァ!!!」
キマイラは全身に黒いオーラを纏わせると今までで一番のスピードで突っ込んできた。
そのオーラは触れれば恐らく破壊されるどころか消滅してしまうかのごとく高濃度の魔力。
「『ゼラム』」
右指をキマイラに向け、『ファイブオーバー』の能力を発動する。
『ゼラム認定完了、出力リミット解除、CodeNo.05』
ズパァッ!!!!!!
キマイラの身体が横に二つに切断された。