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研究所内〈フルード沖の孤島〉
「フィフス! 上よ!」
「分かってる!!『フォース』!」
俺のトゥエルによって与えられた超能力により、キマイラの飛び上がった地点の重力のみが10倍にも膨れ上がった。
獅子の頭、ゴリラの身体、タコの足を尻尾に使用された合成魔物キマイラはその重みに耐え切れず直ぐに落下を始める。
「ガァァァッ!!」
キマイラは壁を思い切り蹴り飛ばすとその地点からの回避を試みる。
「遅い!『白閃』!!」
一瞬にしてキマイラの背後に回り込んだシルヴィアは細剣『白光』をキマイラに突き立てる。
「ウゴァァォッ!!」
鋭い一撃によってキマイラの腕が一本切り落とされた。
俺はその隙を見てすかさず魔法による追撃を行う。
「『インフェルノ・ヴィン』」
激しい地鳴りと共に振動の元がキマイラの元へと接近していく。
周囲の温度もかなりの温度へと上昇している。
「燃え尽きろ」
ジュワァァァァァ!!!!
キマイラの下からマグマの火柱が吹き上がった。
それはキマイラごと研究所の天井を貫き全てを溶解させていく。