16
「はっ!!」
初撃。
上から下への振り下ろし。
シノの肩の鎧にひびが入る。
「はぁっ!!」
二撃目。
両肩への突き攻撃。
『紫電』の輝きが更に増幅し、刀身の長さも伸びる。
「あぁっ!!」
三撃目。
下から上にかけての切り払い。
完全にシノの鎧が破壊される。
「はぁぁぁぁぁぁ!!!!」
終撃。
両刃がシノの身体を切り裂いた。
鎧が全て粉々に吹き飛んだ。
「……とどめは刺しませんわ」
「……ぐっ……くそっ……!」
シノはもう動くことが出来ないようだ。
全身から何かの粒子を溢れ出している。
「では、私はこれで。
神無さんの元へいかないと……」
「これは何なのかしら?」
ゾォッ!!!!
一瞬にして周りの空気が凍った。
いや、凍ったかと思うほどの寒気が私の身体を襲った。
「シノ?どうしたの?ねぇ、何でそこで倒れてるの?」
「ぐ……ごめ…ん…ホムラ……少し…舐めすぎ…てた」
シノの元へ近づいたホムラは屈むと彼女の身体に手を乗せた。
すると次第にシノから出ていた光の粒子が遅くなっていった。
「貴女、貴女ね。
シノをここまで追い詰めたのは」
「く……神無さんは……」
私は神無さんがいるであろう場所に目を向ける。
そこには神無さんが倒れていた。
「神無さん!!」
私は神無さんの元へと慌てて駆け寄る。