11
「……叩け、『崩』」
大剣を上段に構えた私は剣技を発動する。その動きに沿って大剣は大きな軌道を描いて空気を切り裂く。
その衝撃波は目にも止まらぬ早さで『クルセイド』の元へと突き進んでいった。
ボコォッ!!!
その一撃は『クルセイド』がいた場所を文字通り完全に崩壊させた。
しかし相手も簡単にやられる様な敵ではない。
軽々と左右に飛んでプールサイドへと着地する。
「うぉ!中々やるじゃねぇか!」
「あらあら、凶暴な剣筋ですね〜」
「よし……柊菜!」
「了解ですわ!」
『崩』によって二手に分かれた『クルセイド』を私たちも二手に分かれて闘いを挑む。
刀音は……よし、ユウを呼びにいったようだな。
私はホムラの前へと着くと大剣を構えて相手を睨みつける。
ホムラの金色の甲冑はV字型に目のところが切り込まれているが、その中は真っ暗で素顔は見ることができない。
「あらあら、強そうな方が相手ですか」
「ふん、どう考えても貴様の方がシノという奴より強いだろう」
敵がランスを顕現させた時に瞬時に分かった。ホムラの方が魔力の量も質も上だということが。
「うふふ、そんなことないですよ?
シノちゃんだってあの金髪の子には負けません」
「…ならお前を倒して助けに行くまでだ!」
その声と同時にぶつかり合う大剣とランス。
大剣の大きさは普通にランスの全長を超えており、まともに受ければ一刀両断されてもおかしくないサイズだ。
「ふふっ、凄いパワーですね」
「大剣『滅神刀』は私の魔力を喰い、更にその重量もパワーも上昇する!!」
上昇していく魔力に合わせて『滅神刀』がホムラのランスを押し返していく。
この戦闘スタイルは魔力の消費が激しいが、私の魔力はまだまだ残っている。魔力量が多いのが私の最大の特徴なのだ。