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「で、先ほどの話だが、今から私と一戦交えてみるか?」
「いえ!遠慮させてもらいますわ。
水着では闘いにくいでしょう?」
「冗談さ。 それにしても、その水着……気合い入ってるな」
私は柊菜の水着を見て感想を言う。
彼女の金髪にあった薄い黄色のビキニ姿。 大きな胸を包むビキニには一輪の花の刺繍がされており、その花も彼女の華やかさを表現している。
さすがは第一高等学校のミス第一に輝いただけのことはある。
「パンツの布も少ないし……
はっ!もしや柊菜もユウを……!」
「違いますわ!私には心に決めた人がいると、何度も言っているでしょう?」
「そ、そうだったな……」
危うく切り倒すところだった。
「……切り倒そうと思ってないですわよね?」
「そんなことするはずがないだろう。
そういや柊菜の想い人の話はまだ聞いたことがないな」
ミス第一の時に公言していたくらいだ、かなりその人のことを好いているのだろう。
「分かりましたわ、この壮絶でキュン死に確実のエピソードをお教えいたしますわ」
キュン死?よく分からんが面白そうだな。
「恋バナするの柊菜ちゃん?」
「あら刀音ちゃん、あなたも聞きますの?」
「うん!楽しそうだもん!」
「じゃあ始めますね……」
そうして柊菜は昔のことを語り始めた。