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ハーゲリオ財閥経営 ホテル
屋上プール〈フルード〉
ハーゲリオ財閥のホテルはフルードのビーチから少し離れた島を丸まる一つ買い取り、その上に建てられた超高級ホテルだ。海水浴のシーズンになるとシードの著名な政治家や芸能人がこぞってこのホテルに宿泊にくる。
今日は私と刀音が、ここのオーナーの娘である柊菜のお陰で貸し切らさせてもらっているが。
「初夏とは思えない暑さですわね、神無さん」
「そうか?まだ耐えられる気温だが」
私と柊菜はプールに設置されたイスに座りながらジュースを飲んでいた。 刀音は初めてのプールが楽しくて堪らないのか、浮き輪を使ってずっとプールで泳いでいる。
「そうなんですか。
にしても、神無さんとこうやって静かに話すのも久しぶりですわね」
「そうだな、学校では学年も違うし……選考会時振りだな」
私と柊菜は第一高等学校の生徒で、3年生と2年生だ。 選考会では決勝で当たり、私のチームが勝ったが私とのチームワークは柊菜が1番だろうということで、私と柊菜のペアが学校代表にえらばれた。
まぁ第一高等学校に編入してきたのも最近だし、ペアの子も私がそこまで強いとは思ってなかったのだろう。