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『黒炎』は……海の上だから意味ないな、クラーケンは水魔法をメインで使うから相殺される。
ということは『黒く燃え盛る雷の槍』もダメだな、本来のバランスが崩れて当たってもかなり減少している。
「くっそ!海上で闘うなんて考えてなかったから全然良い魔法がねぇ!!」
俺は『アイスランス』などの中級魔法で襲い来るクラーケンの足に反撃を行う。
中級魔法程度じゃ魔物の身体にはダメージはほとんど与えられない。
だからデスパイアの人々は魔物に負け続けていたんだ。
せめて上級……準特級じゃねぇと無理だ!
「レン!あんたは『バニシングノヴァ』でエネルギー砲の無効化に徹して!
私が前衛に回る!」
ミイはそう言うと両手に闇と氷の魔力を精製させていく。
そうか……!ミイの主な魔法は氷や雷が多い!雷ならクラーケンにも相性が良いぞ!
「『ラ・シェイド・ブリザード』」
魔法の詠唱。それと同時にミイの両手から放たれた水色の光を帯びた黒い球は、巨大な竜巻を発生させていく。
「ぐももぉぉぉぉぉ!!!」
巨大な竜巻に触れたクラーケンの足は一瞬にして凍りつき、黒い球から放たれるオーラに追撃を受けて破壊される。
準特級魔法『ラ・シェイド・ブリザード』今ミイが使える最大の魔法だろう。ニートで使った時のものよりもパワーも範囲も上昇している。
「ぐももももももっ!!」
凍っていない足を絡み合わせてエネルギー砲を発動しようとするクラーケン。
「させるか!『バニシングノヴァ』!」
俺は即座にエネルギー砲の属性を予測、それに対する4属性混合魔法『バニシングノヴァ』を発動。相手の魔法の属性以外の属性を練りこめば無効化できる消滅魔法だ。
「ぐももももっ!!!?」
エネルギー砲を放つ前に消滅されてしまい、クラーケンは訳が分からず当惑している。
いける、このままミイが攻め、俺が守ればなんとかクラーケンを倒せるぞ!