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ドォォォォォォォォンッ!!!!
「な、なん……」
突然の爆音に驚いた俺だったが、それ以上の衝撃を俺を襲った。
ちゅっ……と目の前が真っ暗になる。
俺は状況を理解するのに少しばかり時間がかかった。
俺の唇がエレナの唇で塞がれていたのだ。
つまり、俺はエレナとキスをしていた。
柔らかい感触、少し湿ったエレナの唇は暖かくて、俺の脳はだんだんと麻痺していく。
「……きゃっ!
ご、ごめんレン君!」
事態に気づいたのかエレナは俺の上から飛び退く。
もう少しこのままでも良かったとは思うのだが、アクシデントでキスしてしまったので仕方ない。
「ふぁ、ファーストキスだったのよ……?」
「レン君も?」
俺の女々しい言葉に突っ込んでくれないのかよっ!
「あぁ恥ずかしいことにな」
「でもハーレムが何とか言ってたよね?」
「あれは……」
ドォッ!!!
海でさらに激しい爆発が起こり、俺たちの岩陰にも波が押し寄せてきた。
「とりあえずミイと合流しよう!」
「おう、パーカーは着ないでくださよ?」
「いいけど、どうして?」
「おっぱいが見たいからさ!キリッ」
キスをしたからといって、態度はあまり変わらない魔王様であった。