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南国リゾート地〈フルード〉
「……レン君……もっと優しく……」
「ちょっとレン!もう少し下よ!」
「こ、ここか…?」
「そう、そこよ…!」
「じゃあ入れるぞ……」
「お願いレン君…!」
パカッ
俺の手が巨大な砂山の穴を貫通させた。
「やったー!完成したー!」
「長かったわね!」
「疲れた……デカく作りすぎなんだよ……」
3人の前にそびえ立つのは巨大な砂で作られた城。
泳げないエレナも遊べるようにとミイが提案したのだ。
まず最初に土属性で土台を作って徐々に砂を削って形を整える、そして何故か真ん中に穴を開けてみよう、ということになったのだ。
「にしても少し疲れたわね」
「作ったのほとんど俺なんですけど……」
エレナとミイの2人はあまり砂は付いていないが、俺は砂だらけだ。
時刻はそろそろ10時になる頃だろうか。太陽も真上に上がり始めて気温も上昇してきている。
「ねぇミイ、かき氷買ってきてくれない?」
砂の城を完成させた俺たちはパラソルの下で休憩を取っていた。
「うん、何味にする?」
「私はイチゴでお願い」
「俺はレモン」
「りょうかーい」
ミイはエレナの言うことには素直に聞いて行動するのだ。