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時刻は6時過ぎ。少し夕食の時間には早いかな?
僕はIHをオート保温モードに変え、エプロンを取って台所を離れた。
「お兄ちゃん、海ってどんなところなの?」
「あれ?刀音って海知らないの?」
「水が沢山あるところさ。
明日見れるから楽しみにしとけばいい」
「やっぱり2人もくるんだ……」
いつも柊菜の家に仕事しにいく時は付いてこないから来ないと思ってたよ。
「私と刀音は水着を持ってないから柊菜のところで準備してくれるそうだ」
「楽しみだねー!」
神無が借りられる水着をケータイに表示して刀音と一緒に見ては楽しそうに相談している。
僕は完全に蚊帳の外だ。
それにしても海か……久しぶりだ。
イノセントの海は魔物が多かったし誰も泳いでいなかったので、遊ぶっていう選択肢はなかったからね。
といっても僕は柊菜に剣技を教えるだけのつもりだけどね。この家に来てからは兵器による襲撃はパッタリなくなったが、いつ襲われるか分からない。
「とりあえずカレー食べない?」
ソファで明日教える剣技を何にするか考えていたのだが、いつも夕食を食べる時間になっても2人は相談をやめなかったため、僕は夕食を食べる提案をした。
「そうだね!いっただっきまーすっ!!」
「元気な奴だ」
「ほんとにね…」
僕達は3人揃ってカレーを食べるのだった。




