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「ひゃぁぁぁあ!!!急げぇぇぇぇ!」
そう、人目もはばからずに全力疾走。
「お待たせいたしました!夏スペシャルです!」
「うひゃひゃ、急いだ甲斐があったぜ……いただきまっす!」
俺が何故急いで帰ったのか。それは帰路の途中にあるアイス店によるためだ。
この前エレナとミイと一緒に行ったのだが、今日新作が発売すると聞いて飛んできたのだ。
何を隠そう、この俺は知る人ぞ知る甘いもの好きなのである。
「うみゃぁ……まじ生き返る……」
正直走るのは苦手なので魔法でアイスロードを作って滑ってくればよかったのだが、危険なので普通に走ってきた。
しかしその疲れも全てこのアイスの前では無に帰る!
グラスにフレークやフルーツがどっさり、さらには濃厚なミルクのアイスが絡まって舌の上で溶け合わさって、これはまるで味のファンタジィィィ!や!
「うみゃい、マジでうみゃい」
俺のスプーンを動かす手は止まらずドンドン口の中へとアイスが消えていく。
このクソ暑い季節なら毎日アイスでも全然いけるぞ!よし、毎日こよう。
前回来た時は2人と一緒だったので少しゆっくり食べたが今日は生憎お一人様である。
「はぁぁ、何でこんなとこにいんのよ……帰ったんじゃなかったの?」
「あ! 夏スペシャルだ!レン君ちょっとちょーだーい!」
「ぐむぐむ……んぁ? エレナ、ミイ?」
アイスを頬張っていると聞き覚えのある声がしたので後ろを振り返ってみる。
そこには制服姿のエレナとミイが。
上田君に聞いたのだが、彼女たちは女子高校生、略してJKと呼ぶらしい。そしてJKは青春だと聞いた。
眩しい!この2人が周りの女の子達とレベルが違って眩しい!
「意味わかんないポーズしてんじゃないわよ」
「レン君ほらあーん」
「ほれどうぞ」
「ぁむ……ぅーん!美味しい!」
エレナは頬抑えて満面の笑みを浮かべる。
可愛い、可愛いぞぉ!!
その笑顔1万円だぁぁ!!
見ろ!そこのいるかいないか分からないモブキャラ!このエレナ様の笑顔に埋れて顔も見えんわ!
「だから喋らないで変な行動するなって」
ボカッ!
何故かミイに殴られました。