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エレナ 宅
「ニャァ」
「……うるせぇ……どっかいけ……」
俺は鼻の辺りに感じた違和感に対して寝ぼけながら寝返りを打つ。
「……ぐむ……いたいな…?」
「…すー……すー…」
目の前にあったのは天使のような寝顔、もといミイの寝顔だった。
いつもはあのキツい話し方のせいで分かりにくいが、ロリっ子の寝顔は非常に可愛らしく、朝からめっちゃ萌える。
ってそんなこと考えてる場合じゃない。
昨日2人で勉強の話しててそのまま床で寝ちまったんだな……
俺は約5センチほどしかなかったミイとの顔の距離を開け、寝ぼけたままベッドに転がって布団を抱きしめる。
あぁ、めっちゃ柔らかい……
「……柔らかい?」
「…んっ……は…ぁ…すー…」
俺はその抱きしめた布団を手でまさぐってみる。
「…すー…ゃぁ……」
この……この至高の膨らみは…!!
俺は恐る恐る寝ぼけた目を開けて見た。
「……すー……すー…」
「 」
絶句した。
布団に包まっていたのは、『下着姿』のエレナだったからだ。
寝顔は俺の方を向いていて、その艶やかな唇との距離はさっきのミイよりも近い。
綺麗な水色のレース下着はエレナの身体にぴったりで、胸の谷間が非常に強調されている。
女の子って寝る時にブラ付けるの?
いや、外すって聞いたこともあるようなないような……わかった、エレナは全裸になってしまうから下着だけつけてるんだ!
という寝起きの俺にしては上出来な頭の回転をした。
こうなったら……こうなったらこのまま事態が過ぎるのを待つ!
俺は行動を起こすのをやめてそのまま眠りについた。
顔はエレナの谷間の前に置いて、だが。
めっちゃ良い匂い!!死んでもいい!!
「……ぐごご…すぴぃー…」
睡魔には負けました。
「……んっ…もう朝なの……?
あ、プリンちゃん……あれ?ここレンの部屋……」
「ニャァ」
「……なんでベッドの上の2人はこんな事になってるのかなぁ……?」
ゴゴゴゴッと魔力がミイの身体から溢れ出す。
ベッドの上には下着姿のエレナと『何故か』上半身裸のレン。
「ぶっ殺す」
バチチチチチチチチチチッ!!!!
「あひゃぁぁぁぁ!!!???
寝起きドッキリぷぎゃぁぁぁぁぁ!!!」
これが俺たちの日常のような非日常。




