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シード〈超科学研究所〉
「リンクの接続状態は良好なようね」
デスクのパソコンに白衣の女性は文字を打ち込んでいく。水色の髪の若作りしてはいるが40代ほどだろう。
「良かったねトゥエル。
フィフスと身体の相性ぴったりですって」
「……わーい……」
銀髪の少女、トゥエルは無表情で喜ぶ。
ていうかシルヴィア、その表現の仕方は些か問題があると思うんだが。
「フィフス君も魔力の還元状態も良好。
もう少しリンク時間を長くしても大丈夫ね」
「せいぜい3時間ってところだな……
まだ完全同調は無理か」
俺は上着を着直す。
あの任務で久々にリンクが強制妨害されたからな、少し不安もある。
「さてと、診断も終わったしお昼でもいかが?」
「……うん……お腹すいた……」
「そうですね博士、食堂に行きましょう!」
博士の言葉によって俺たちは研究所内の食堂を目指した。
ここはシードに建設された超科学研究所。統治機関によって作られたと聞くが、現在のところはほとんど独立しているらしい。
俺たちの能力はこの研究所によって開発されたもので、シルヴィアはその監視兼護衛役でもある。
「私は定食にしようかしら」
「じゃあ私はAセットにします」
「……B……」
「コーヒーだけでいい」
昼飯ならさっき食べた。