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「……ぜぇぜぇ……!
なんで当たらないんですの……!」
「五重展開魔法陣」
魔法陣が空中に発生する。
複雑な文字の羅列で構成されており、その羅列はこの世界での魔法陣とは異なったものである。
僕が独自で創り上げたオリジナルの魔法陣だ。
「身体が……!?
な、何ですのこの魔法陣は?!!」
「五重魔法陣
『弐の型 地縛』」
柊菜の五体が魔法陣によって拘束される。
両手両足、そして体。
僕は陽光の剣を柊菜に突きつける。
「勝負ありだよ」
「……わかりましたわ」
柊菜が降参の意を見せて双剣を消滅させる。
僕も同じようにして五重魔法陣と陽光の剣を消滅させた。
「完敗ですわ。
正式に私の師範として雇いましょう」
「し、師範?!」
「神無さんにはそう伺っておりますが?
給料の方はまた後日お渡しいたします」
まさか師範なんていう仕事につくなんて……
仕事内容も闘い方を教えるだけみたいだし。