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「それにさ、地球ってのは奇跡の星って言われるくらい珍しい星なんだぜ?」
「それなら知ってるわよ。
科学技術が大きく発展した現在でも、地球と同じ様な惑星なんて見つかっていないもの」
そう、地球の様に生命が活動できる惑星の誕生にはあり得ないくらいの条件が必要になる。恒星との距離、大きさ、空気の有無……地球工学の教科書にはもっと載ってたが他は覚えていない。
「んで、転移してきた後に俺は顔を変えられたわけなんだが、身長も体つきもほとんど変わってなかった。
髪の毛が金髪になって顔が少し変わっただけだ」
男の象徴のサイズも変わってないっす。
「え?あんたって記憶喪失でシードからデスパイアに行って戻ってきたって……」
あ、普通に忘れてた。
……どうしよう。
エレナと俺は昔に知り合ってるらしく、俺は記憶喪失ってことでその辺を誤魔化してある。
「……デスパイアに飛ばされた時にまた顔を変えられたんだよ。
で、こっちに戻ってきたらまた戻ったというわけさ。
子供の頃過ぎて覚えてないけど」
「ふーん……まぁエレナには黙っといてあげるわ。
話がややこしくなりそうだし」
「感謝する」
エレナは俺を幼馴染だと思い込んでいる。
が、俺にはその記憶がないので何とも言えないが……
もし俺がその幼馴染とは全く別の人間だと知れば彼女は困惑するだろう。
そういうのはあまり……したくない。
時には『嘘』も必要なことがある。
「で?私はあんたがシードに来た経緯じゃなくて、デスパイアがどんなところか知りたいだけなんだけど」
「さいですか」
こいつ、けっこうシリアスブレイカーの素質あるぞ。