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メスト〈神無 宅〉
「ニートでテロがあったらしいな」
「ニートってどこ?」
「シードで栄えてる都会の街のことさ」
「へぇー」
ポチポチポチポチ
「……お前ら居候の割りにはずっとゲームしてるな」
「あー」
「うー」
僕は傷が癒えたあと、結局神無の家に世話になることにした。
一応生活費のお金はまぁまぁある。
イノセントでは勇者として世界中を渡り歩いてたから、財布などもちゃんと持ち運んでいる。
「お兄ちゃん眠いー」
「じゃあ寝ておいで」
僕は隣で一緒にゲームしていた刀音にベッドに行くことを勧める。 正直1人でプレイするほうがやりやすい。
「……一体何回そのRPGをクリアすれば気が済むんだ?」
「うーん」
「く……ユウが相手してくれない……」
「……」
ポチポチ
「……ふんだ、もうユウなんて知らない」
「ふわぁ……眠くなってきたな……」
ゲームの電源を切ると伸びをする。
かれこれ一日中やってたから身体が痛い…
僕は神無の方へと視線を向けると地べたに体育座りしていた。
「……ふん…!」
「神無も一緒に寝る?」
「な、ななに!? それはユウと『ピー』しろと!?」
「あははは、何で?普通に睡眠だよ?」
「もう少しくらい『ピー』というワードに反応してくれても良いじゃないか……」
「え?神無は僕に『ピー』されて『ピーー』した後に『ピー』したかったの?」
「なっ、なっなっな……!」
この後めっちゃボコボコにされました。
ちょっとゲームのし過ぎで変な知識が入ってたみたいだ、うん。
まぁ結局は刀音を僕と神無が挟んで寝るっていうスタイルに落ち着くんだけどね。
まだ僕達は外に出ていない。 引きこもって3日ほどだ。
そろそろ何かお金を稼げる方法を探さないと貯金も……
そろそろ眠くなってきたね……
明日は出かけてみようかな。
僕は平和な1日を過ごせたことを神様に感謝して眠りについた。