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とある場所
「ぶふぉっ!やっと息できる!」
ゼーゼーと息をしているのは、白髪の少し強面の少年。
彼は何故かゴミ箱に頭から突っ込んでいた。
何とか抜け出したのは良かったのだが、辺り一面はゴミだらけ。
どこがのゴミ処理場だろうか?
臭いも凄ければハエも飛んでいる。
こんなところに落ちてきたなんて不幸にも程があるだろう。
「とりあえず死ななかった時点で良かったよ……って誰これ!?」
近くにあった鏡のカケラに反射して写る自分の顔を見て驚嘆の声を上げる。
ぼ、僕の髪は元々黒髪だ……それに顔もこんなのじゃない!
「げほっげほっ! とりあえずゴミのないところへ行こう……」
『Y=システム再起動
データインストール……アップデート』
そして……勇者は再びゴミの中へ倒れていった。