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この世界に、親子の絆ってあるのかな?
もし、あるとしたら、それはどんなモノなのかな?
温かいモノなのかな?
気持ちいいモノなのかな?
確固たるモノなのかな?
時が経っても壊れないモノなのかな?
裏切られたとしても、続いていくモノなのかな?
残念だけど、僕は親子の絆なんて信じられない。
だって、僕はあの日、両親に捨てられたのだから。
生まれてきた子供を、簡単に見捨てることが出来る人たちを知ってしまったら、親子の絆なんて、信じることが出来なくなっていた。
でも、だからこそ、僕は思っていたんだ。
もし、何時の日か、僕が誰かの親になった日には、僕は絶対に子供達を見捨てたりしないって。
全身全霊を掛けて、自分の子供を、愛して、信じて、守り抜いていける親になりたいって誓い続けていた。
まあ、そんなのは彼女もいないような僕には遙か先の話なんだとた高を括っていた。
ところが、ある日、突然、僕の目の前に、三人の娘が現れた。
一人は、空気を読むのが苦手だけど、底抜けに明るくて、何処までも前向きな子。
一人は、しっかりものなんだけど、隙あらばいつでも僕を誘惑してくるちょっと困った子。
一人は、家事万能で細かいところにも目が届くけど、いつも無表情な子。
子作りなんて、まだ経験がないけど、僕は一夜にして、三者三様の娘達の父親になってしまったんだ。
訳が分からない状況だけど、彼女たちは確かに僕の娘だった。
だから、一人、心に決めていた。
僕は、僕の両親みたいに、絶対に自分の娘達を見捨てたりはしないって。
これは、そんな僕と、さわがしい三人娘と、そして彼女たちの母親がくりなす、みんなで三人の娘達を子作りしていく、そんな物語。