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八、阿黒

『実際、どうなんですかね。六羽県というのが、どの位置にあるか次第ですが』


 異形の影が話に加わった。くぐもってはいたが、涼やかな若い男性の声だった。よく見ると彼も腰に刀を差していた――大竹がその者に合った刀を提供したのだろうか、得物もまた影のように霞み、大きく、形状も歪んでいる。


「〈さる高貴なるお方〉にしても、大竹殿の妄想かも知れぬし、人ならざる者という可能性も高いからな。目的地もまた現世とは限らぬ」


 鷹丸の後ろにいた、聖騎士らしい金髪の女性が言った――駅前の教会にいた騎士たちは銀の煌めく鎧を纏っていたが、近くで見ると、彼女のものはところどころが呪詛と思われる染みで黒ずんでいる。


「確かにね、だけどいずれにしても、オレたちが物見遊山丸出しでも何も言わない以上、本気で当てにしてるわけじゃないと思うぜ」


 隣を歩いていた、黒眼鏡の青年が言う。彼は何かを口に運んでいる――おはぎだった。


 そんな話をしていると、有角の少女がまたこちらを振り返り、「大竹総長から伝言。後ろに回して欲しい。周囲の人たちに自己紹介をするように、とのこと。まず私から名乗る」


 阿黒(あくろ)、と彼女は名乗った。

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