四十三、解決法
隊士たちは侍として戦えるだけの剣技も、金も、〈さる高貴なるお方〉に仕えるという自覚も、同じ目的のために肩を並べる同胞も手に入った。それでも、怠け者、のらくら者、落伍者としての本質が消えるわけではない。目付きが突然鋭くなったり、覇気に溢れたり、カリスマ性を発揮したりということはなかった。
鷹丸は薄汚れた宿で寝て、朝に目が覚めてからも、起き上がらずにしばらく天井を見ていた。自分が〈髐羸〉なる骸の邪法師であるという情報は、相変わらず何の効果も発揮していない。それは何らかの恐ろしい魔物の死体から、強力な武器を作り出して成る化生の者だというが、自分はそんな儀式の手法をもちろん知らない。
だが、大竹総長は、これから〈髐羸〉になる、とは言わなかった。お前は〈髐羸〉なのだと言った。つまり、既にそれに成っているのだ。
何かのきっかけが必要なのか。例えば、強大な敵と戦い死にかけるとか。もちろんそういったことは嫌だった。
問題の解決法が分からない場合、万能な解決法がある。迷える信徒が資金を手にしているならば、お布施をすれば、神は、宗教はそれに答えてくれる。それが現代の扶桑だった。




