表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/159

四十三、解決法

 隊士たちは侍として戦えるだけの剣技も、金も、〈さる高貴なるお方〉に仕えるという自覚も、同じ目的のために肩を並べる同胞も手に入った。それでも、怠け者、のらくら者、落伍者としての本質が消えるわけではない。目付きが突然鋭くなったり、覇気に溢れたり、カリスマ性を発揮したりということはなかった。


 鷹丸は薄汚れた宿で寝て、朝に目が覚めてからも、起き上がらずにしばらく天井を見ていた。自分が〈髐羸〉なる骸の邪法師であるという情報は、相変わらず何の効果も発揮していない。それは何らかの恐ろしい魔物の死体から、強力な武器を作り出して成る化生の者だというが、自分はそんな儀式の手法をもちろん知らない。


 だが、大竹総長は、これから〈髐羸〉になる、とは言わなかった。お前は〈髐羸〉なのだと言った。つまり、既にそれに成っているのだ。


 何かのきっかけが必要なのか。例えば、強大な敵と戦い死にかけるとか。もちろんそういったことは嫌だった。


 問題の解決法が分からない場合、万能な解決法がある。迷える信徒が資金を手にしているならば、お布施をすれば、神は、宗教はそれに答えてくれる。それが現代の扶桑だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ