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四十一、石供養

「体系化された因果律の操作……しかしこの程度なら許容範囲内、■■指数も規定値に達しない……■■■層への蓄積も……」


 鹿之助が何かを呟いている。鷹丸は雨で血を大雑把に落とし、大脇差を納刀する。〈(まとい)〉と武神の加護で、そう簡単には錆びないはずだし、そうなったら鈍器として運用しよう、と鷹丸は軽く考えている。石は、コンビニのビニール袋に入れて手首にかけている。もっとよい収納方法がある気がするが、とりあえずはこれで行こう。


 行列に戻ると八番隊の辺りだった。小走りに進んで、六番隊に合流する。雨は既に小降りになりつつある。


「その石はもういらないんじゃないか」と鹿之助が言い、これに阿黒隊長が、自分が授けた物だから捨てる前に供養して欲しい、などとのたまった。


「では拙僧が供養いたしましょう」と霊泉が申し出て、石を手にして何やら怪しげな呪文を唱えている。「ガブロロマギィルロ、朽ちた目、落ちた月、忍び寄る屈曲獣、沼に踏み入り、指を折りたまえ。ガブロロマギィルロ、夜半の微光、ゼニルワゥの紐、右手に(あぎと)、左手に赤縄――」


 そして不穏なる詠唱が終わり、彼は石を捨てるかと思いきや、銭袋の中に入れ、着服したのだった。

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