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二十一、高架下

 休憩が終わると、一同は高架下の通路を進んで行く。そこは飲み屋街のようになっており、昼間から飲んでいる人たちが赤提灯の下、行列に興味深げな視線を送って来た。


 何人か、お猪口を手にして「これは何の集団か」とか聞いてくる人もいた。鷹丸が、自分たちは〈さる高貴なるお方〉が六羽県へお出ましになる前の、露払いを担う部隊〈百鬼隊〉である、と名乗った。


 〈さる高貴なるお方〉とは誰かと聞いて来た酔客に、名を明かすことはできない、と回答する。正確にはまだ知らないのだが。


 続けざまに、六羽県とはどこか、とか、ずっと歩いていくのは大変ではないか、とか、前に祭りの日の行列が集団失踪する事件があったけどあなた方も異相体の影響下にないか、とかしつこく質問してきて、苛立った阿黒隊長が「それ以上質問すると、情報統制局の検閲官に抹消される」と適当なことを言うと、信じたのか、酔っ払いは恐怖の表情で去った。そんな一幕もありつつ、無事に高架下を抜けることに成功した。

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