表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/159

二、隊士募集

 〈百鬼隊〉という名の集団は、維新の前後から歴史上何度か結成されてきたが、この話の主題となる部隊もそれらと同じく、日塚党の傘下だった。


 日塚党の前身は、二百年前の維新で旧神解体を主導した〈幕府〉であり、その功績によって現在も参加者は帯刀権を有している。〈八海〉の一角として武神を崇拝し、警備・軍事を司るこの組織の一員に、大竹なる侍がいた。彼の事実上の私兵であるがため、この泰輪十六年の百鬼隊もまた、日塚郎党的な性質を帯びていた。


 大竹がどのようにして百鬼隊の結成に至ったのか、その経緯は謎に包まれている。ある時彼は、突発的に募集のための行動を起こした。


 街頭に立ち演説を行う、ポスティングやネットでの書き込みなどで情報を拡散する、といった作業を続け、結果百人ほどの隊士を集めることに成功した。彼の目的は〈さる高貴なるお方〉を東北の〈六羽県〉へ脱出させること。その露払いのために集合したのは、剛の者たちだったか。あらゆる困難を斬り伏せる、強者が集ったのだろうか。


 否、それは、退屈を持て余した無職・暇人・不審者らであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ