百四十八、いくつかの会話
「うちの木堂隊長はマジでわけの分からない人で、この前も『自分はSクラススキルに覚醒して伝説の探索者になる。でも自分から進んで有名にはならずに、別のインフルエンサーの放送に映り込んで、その実力の一端を晒すことで間接的に有名になりたい』などと言っていました。異界の奥底に置き去りにして来たい所ですが、たぶんすぐ戻って来るんでどうしようもないです」
「九番隊なんてもっと滅茶苦茶っす。特に更科さんと来たら、常時酔っぱらってるか、危ないお薬でもキメてるんじゃないかって不安になるほど、突拍子もない行動ばかりで敵性異相体なんかより気が抜けないっすよ」
「まあ、それで言えば、我が隊など、まことに皆、常時酔っぱらっておるからな。この前もまた茨木殿が手元を狂わせて自分の体を斬り、呪血にて三吉殿を昏倒させておったぞ」
「それで言ったら七番隊は、まだマシ、なのかな? 久賀さんはたまに人間的な自我が喪失して暴れ出すけど、離れてれば追ってこないからね」
「まあ最悪、ヤバくなったらオレを呼んでくれよ、斬れば全ては解決する――」
「八番隊の人っていうのは何百人もいるみたいじゃないですか? まあ厳密に言うと道寺隊長も何百、何千っていますけど」
「阿黒さんはどうなんすか、鷹丸君。ああー、やっぱそういう感じすか」
「あの瓢箪には凝縮された呪詛が――」
「もちろん斬るっつっても物理的に切断するんじゃなくて――」
「つまるところギョクの質によるのだ、層環融解を誘発させるのはフサギが強すぎるからで、これは公団製のものではずっと前から言われている」
「ドラム式だとそういうデメリットはある、二層式だとエクトプラズムの混錯は発生しづらいし――」
「へえ、虚身流ってのはすごいんすね、でもその運用法だと晴れ上がりが発生しないのかな」
「前後さんはそう言ってましたよ、前後さんってのは木堂隊長と割と付き合いが長くて――」
「ムガピィルヮギブラマウエオフェドカルゴイメワルハラバイジェリアヴィスロマガクウベィスロテギニバフォソマギブロネアキィロゲンネホラロモサンワァロコイロマギアカンゾネホィウルヲ」




