一
日々、つらいことが多いので現実逃避の為書きました。
登場人物これからどちゃどちゃ出すつもりです。
下手です。
放課後。ガヤガヤと騒がしい教室。私はいつも一緒にいる複数人の友達と談笑していた。
「……でさぁ、ちょー面白かったワケよ!」
「てかさぁ、この前インスタで見かけたんだけど…」
友達は、彼氏とあった出来事を楽しそうに話していたり、また別の友達はインスタで見つけた可愛らしいスイーツを見つけてはいいねを押していた。
いつも通りの日常。
「それはおもろいわ〜、あっごめん私帰るね!」
スマホに浮かんだ時刻を見やると、私は席を立った。
「あ、そっかあいは今日病院行くんだっけ?」
「うん!予約してるから早く行かなきゃなんだよねえ、また明日ね!」
「今日あい医者なの?気ぃつけて帰れよ〜!またね!」
ばいばあい、と大きく手を振ってお見送りしてくれる友達たち。こちらも大きく手を振り昇降口で友達と別れた。
家に着く。真っ先に部屋へと向かい、部屋に着くと背負っていた黒く大きいリュックサックを下ろし、スマホの画面を見つめる。
<はやくかろんちゃんに会いたいな、楽しみ>
スマホを片手でタップして、そのメッセージに返信をする。
<私もすっごく楽しみだよう!(>_<)いまから行くね!>
メッセージを送信すると、スマホをベッドに投げつけた。
「……準備、しなきゃ」
少しくせっ毛で長い黒髪をコテでふんわり巻いていて、まつ毛もあがっていて今日の私もかわいい。大丈夫。鏡を見ながらポソッと呟くと、手をぎゅっと握って最寄り駅まで向かった。
。。
「ふーくんおまたせ〜っ!待っちゃったかな?」
「うっ、ううん……!!全然っ、待ってないよ…!」
スラリと身長が高くて、全身真っ黒の服を着てマスクをつけた男性が駅では待っていた。私が声を掛けると挙動不審になりながら何度も頭を下げた。
「よかった。この先行ったところのホテルだよね?一緒に行こう、先にお支払い確認していいかな?」
「あっ…!わ、わかった!」
焦りながらスーツケースの中から封筒を取り出し、それを私に渡す。受け取った瞬間、すこし重かった気がした。
「……?なんか重くない?延長する予定なの?」
「あっ…えっと、その、今日は…僕の家でしたくて…」
俯き、指を弄りながら躓きながら言う彼の顔は真っ赤だった。それを横目で見ながら封筒を開けると、札束がぎっちり入っていた。これだけあればサービスで家に向かっても良いだろう。
「そっか!私もふーくんのお家行きたいなっ!案内してくれる?」
お金の入った封筒をバッグに入れると、私はにっこり笑って彼の腕に抱きついた。彼は視線をきょろきょろ動かしながら車へと案内した。その車に乗って彼の家へと向かって行った。
。。
「……かろんちゃん…ってさ、いつまでこういうの続けるの…?」
既に車に乗ってから1時間は経ったであろう。車を運転している彼は私が話す度に嬉しそうに相槌を打ってくれた。ふと、僅かに訪れた沈黙を破ったのは彼だった。
「………今その話する必要ある?」
私は今ふーくんと一緒に居るんだし…そういう話はしたくないなぁ、と窓の方に視線を動かした。
「ごっ、ごめん……。でも、答えによっては僕の行動が変わるから…っ」
車が停まった。目線を動かすと、そこは一軒家のようだった。
一瞬違和感を覚えた。
白を基調としたお洒落な家。
明らかに新しく作られた家で、窓から僅かに見える部屋の中にはまだ開けていないだろう段ボールが積み上げられていた。
……彼は最近引越しをしたのだろうか?
「かろんちゃん…答えてほしい、かろんちゃんはいつまでこんなこと続けるの?」
家を見てぼーっとしていると、彼は私の右手を握り、先程より少し力の入った声を出した。
「……まあ、あと少しはやるんじゃないかな?」
彼の目を見ながら、彼の手を握り返しては精一杯の作り笑いでそう答えた。
間違いではないし。
女には賞味期限がある。今群がってくる男だって、私が歳をとればすぐ離れていくだろう。
「そっか……。ごめんね、変なこと聞いちゃって……、とっ、取り敢えずあがってよ!」
彼は何か言いたいことを飲み込んだのか、少しぎこちない声でそう言った。車のドアを開けてくれて、ありがとうと伝え、彼の手を握ったまま彼の家に入った。
…………カチャン。
。。
「か、かろんちゃん、ジュース飲む?」
まず案内されたのはリビングだった。彼は家に入るなり部屋中のカーテンを閉め、ガラスで出来たテーブルを前に私を座らせた。
「あ、いいよぉ気使わなくて!」
部屋を見渡すとやはり新しい。殆ど使った様な痕跡も無く、ガラスのテーブルだって……傷ひとつない。
「で、でも、かろんちゃん、こ、このジュース好きでしょ?」
大きなペットボトルから紙コップにジュースを注いでくれて、それを持ってきてくれた。
「……ありがとっ!」
私のプロフィール、細かい所までちゃんと見てくれてるんだ。
私は無意識に笑みが零れていた。大体、私と会う人なんて私の好物の欄なんて見ない。それを思うと嬉しかった。彼から紙コップを受け取ると、少し喉が渇いていたので一気に全部飲んでしまった。
彼の方を見やると、彼は落ち着きのない様子でベッドの周りをうろうろしていた。彼はあまり女性を家に呼んだことが無いのだろうか?
「さーて初めよっか!ジュースありがとうね!かろんの好きなジュース覚えてくれてたなんて嬉しいなっ」
すっ、と立ったつもりだった。
ふわっと宙に浮いた様な感覚が身体を襲った。
いつの間にか彼は私の身体を支える様に抱き締めてくれていて、彼からは柔軟剤の良い香りがした。
「効くの、早かったね……少し量が多過ぎたのかな…」
彼は私の身体をお姫様抱っこで持ち上げるとそう答えた。
私、ころされるのだろうか。
身体に力が入らない。彼に身を任せるしか無かった。
彼は少し歩くと、ピッピッと何かの機械を弄っていた。
ガチャッと銀色のドアが開いた。
その部屋は私の好きなピンクが沢山溢れている部屋だった。ふわふわでフリルの付いたベッド。お姫様の様で可愛らしいクローゼットや絨毯やテーブル。
私が1度でいいから住んでみたかったような部屋だった。
「……喜んでくれたみたいだね。」
目をぱちくりしながら部屋を眺めていた私を見ながら彼はそう言った。
彼は私の身体をゆっくりそのベッドに下ろし、その部屋に置かれていたタンスの引き出しから何かを取り出した。
赤い首輪。
その首輪からは鎖が繋がっていて、彼は鎖の端をベッドの足の部分に括り付けた。
「……嗚呼…やっぱりあいちゃんって何でも似合うよね……!世界一可愛いよ…!……もう…逃がしてあげない……!」
私に首輪を付けると、彼は心底嬉しそうな…見た事も無い笑顔で私の手を握った。
……何故、私の本名を知ってるの?
いきなりな事で頭が混乱していると、そのうち強烈な眠気が私を襲った。
「……眠いのかな?……いいよ、僕はずっと此処に居るから。安心しておやすみ。」
彼は手を優しく握ると、私の頭をふんわり撫でた。
…………それが、心地良かった、なんて。
その記憶を最後に、私は眠りに落ちた。