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勇者の本性

『アーレス…やっと会えた…!』


勇者は涙を流しながら俺を抱きしめた。

訳がわからない。

俺が勇者の思わぬ行動に戸惑っていると続けて王女が俺の前に現れた。


『アーレス、約束通り私達は戻ってきました…』


『冒険の最中、何度も挫けそうになった。

でもその度に僕らは思い出したんだ。

アーレス、君と必ず再会するんだぞってね。』


そういうことか。

この場では綺麗事を並べて聖人のような印象を与え、後で俺を追い詰める気なのだ。

だがそうはいかない。

俺には作戦があるのだ。

俺は必ずやここで彼らに追い詰められなければならないのだ。


『白々しい事を言うな!

君達は俺を足手まといだと追い出したではないか』


もういい。

ここで奴らの本性を明かしてやろう。

そんな事で俺が優位に立つことはないだろうがスッキリするというものだ。


『あぁその通りだ。

僕らは君から戦う術を全て学んだ。

もう君はパーティにいるべきではなかったからだ。』


ハッキリ言ってくれる。


『だが君の知識と経験は本物だった。

それは旅の序盤で君に支えられた僕たちが一番知っている。』


『貴方の力は後方支援で輝く物だと私達は考えたのよ。

最悪、私達が死んでしまっても貴方さえいれば新たな勇者を生み出せるって』


ん?ん?んん?

話がおかしいぞ。

場の空気が想定と違いすぎる。

周囲からもヒソヒソと俺を讃えるような声が挙がり始めている。


『だけどアーレスは素直に言っても僕らを案じて付いてきただろ?

だから僕達は君を突き放したんだ。』


そこまで言うと勇者と王女は俺に深々と頭を下げた。


『あの時はすまなかった!

君を突き放すために強く言いすぎてしまった!

そしてまた僕らと共に

今度は平和を維持するために戦ってほしい!』

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