[外伝]運命の出会い〜とある魔王視点〜
1話と2話の間のお話です。
その声が聞こえた方を見ると、そこには人間がいた。
「誰?!」
私は急いで魔力をその人間にめがけて放った。
こんな近くに寄られた事自体が初めてだったこともあるのかもしれない。
完全に気が動転していた。
普通の人間にこの魔力量はまずい!
もう間に合わない...はずだった。
「ん、どうしたの?」
「信じられない...なんで、あなた何も起こってないの?」
「え、たしかに何かを感じたけど、体の正面で消え失せたよ?」
そんなはずはない。
だって、普通の人間なら無事では済まない...まさか、こいつ「反射」の使い手?!
なら、彼こそ私の思いを叶えてくれる存在であり、お母さんの...
「あなた、名前は?」
「俺はシュウ!君は?」
「シュウ...ね、覚えたわ!私の名前はエステル。一応魔王をやってるの」
そう言うと、彼は突然涙を流し出した。
やっと会えたとかおかしな事を言いながら。
どうやら、彼も私を探していたみたいだった。
何故私も涙が込み上げてくるのだろうか...
初対面なのに、探していたと言っているおかしな人間なのに...
でも、不思議と悪い気はしなかった。
「なんか、私たち気が合いそうね。
せっかくだし私のお城に来ない?この近くなのよ」
この人間と仲良くなりたい、こんな思いは初めてだ...
「是非!」
(女神)牧師役は私ですかね?
(作者)女神公認カップルかよ...あれ、目から汗が