表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界は向こうからやってきた  作者: 肥えた小枝
1章
2/2

1話 暗闇の中で

 目を覚ました。

いや、どちらかというと、夢を見ている状態に近い。

意識はしっかりあるから明晰夢という感じだ。

しかし、自分の体を認識することはできず、視界も固定され瞬きをする感覚もない。

まさに魂だけの状態と言えるのではないだろうか。


 自分がいる場所は暗くて何も見えない場所だった。

暗すぎて何も見えないのかそもそも空間という概念がないのか。

そもそも俺は今生きているにか、それすら分からない。

隣で血を流していた友達や家にいる家族はどうなったのだろうか。

分からないことだらけだ。


 ポーン


 音がした。

その音の後自分の目の前の空間に白い文字で何かが書かれ始めた。


 名前:時長 大河 

 能力:感情操作

 加護:鬼の加護


たった三行の文字のうち下二行は全く意味の分からないものだった。

確かにゲームなんかに能力や、称号と同時に手に入る「〜の加護」的なものは存在していた。

しかしそれが自分の名前のしたに書かれているのが理解できなない。

困惑している中また音が、誰かの声が聞こえた。


「こんにちは、壊れゆく世界から生き延びた者よ。」


 おそらく声の主は女性だろう。


「あなた方が住んでいた地球がある世界は、私たちの住む世界が衝突したことに

 よって滅んでしまいました。」


 突然とんでもないことを言い始めやがった。


「地球に地球より大きな隕石が衝突した、ということが世界同士で起こったとお考

 えください。

 私たちの世界は過去に数度同じ現象が起きているため、このようなことが起こる

 ことは分かっていました。

 しかし世界規模で起こることに私たちがどう手を加えても逃れることはできない

 のです。

 

 私たちの世界はあなた方の世界よりずっとずっと大きので、全体的に見れば被害

 は少なくすみ、いつ、この現象が起こるのかもある程度察知できるので対策もし

 ました。

 ですがあなた方はそうはいかなかったでしょう。

 

 それで私たちの世界の力ある者達が、少しでも命を救おうと衝突の瞬間、世界を

 超え、手が届いた人間をこちらへ引っ張り込み救いました。

 ある程度強い者でなければ向こうの世界へ手を伸ばすことはできません。

 つまり、救えた人数はそう多くはないのです。

 

 さらにあなた方には魔力がなく、こちらの空気中に含まれる魔素の圧力に対抗す

 ることができませんでした。

 それで、あなた方を救った力ある者達が加護を与えあなた方は魔力と能力を手に

 入れました。

 それによりあなた方は魔素の圧力に耐えることができるようになったのです。

 

 おそらくあなたの家族やお知り合いの多くは命を失ってしまったでしょう。

 ですが新しい世界で彼らのためにも生きてください。

 まるであなた方を救った恩を着せるかのようになってしまいましたが、そんなこ

 とはありません。

 あなたの命はあなたのものです。

 全てを救えなかった私たちの力の無さを許してください。

 

 目を覚ましたら、あなたの加護主にこの世界のことを教えてもらってください。

 そしてこの世界で力強く生きてください。

 

 あなた方に幸あらんことを。」


 

 最後の言葉の後少しボーッとしてしまったが、あの時起こったことがなんだったのか理解できた。

空が割れたのは世界同士が衝突してできたもので、そこから出てきた紫の気体が魔素を含んだ空気だったのだろう。

そして俺は運よく救われた人間の一人なのだ。


 さっきの声は誰なんだろう?

口振りから神様なのではと思っている。

魔力や能力のある世界。

神が実際にいるのかもしれない。


 きっと次、目を覚ましたところは異世界なんだろう。

俺に加護をくれた人にも感謝を言いたい。

そういえば俺の能力ってなんだっけ。

いろんな説明聞いてたら忘れちゃったな。

ゲームだったら槍とかリーチの長い武器使って中距離を結構やってたからそういう能力が良いな。

そういうのが性に合ってる気がする。

でも魔力とかがあるんだ。

魔法とかで火力意識とかそういうのも経験してみたいかも。


 あと、加護ってやつ。

確か「鬼の加護」だったはずだけど、目が覚めたらすぐに特訓だ、とか言い始める鬼教官タイプじゃないと良いけど。


 少しずつ意識が遠くなってきた。

意識が眠っていくなか、家族の顔を思い出した。

そこまで元気のいいタイプじゃないけどゆっくり生活するのが好きな一家だった。

きっとこれからはそうはいかないだろう。

今までの常識が通用しないであろう世界。

頑張って生きていかないと。

もう一度家族の顔を思い浮かべる。

今は魂だけの状態だけど、涙が出そうになった。

説明回みたいな感じです。僕のイメージをしっかり書けているのか少し心配です

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ