9、10月-26 ついに来た!(キャラ崩壊あり)
「あ、あの、その、あれ……」
「ん?幽霊でも見えたか?」
「ち、違います!!」
なんかラブの状態が安定しない。教室から出て、まだ5分ぐらいしかたっていないがなぜか笑ったり驚いたり、さっきみたいにいきなり大声も出すこともある。共通していることといえば、ずっと顔を赤くしているぐらいだ。
「とにかくここにするか。」
そこは榊のクラスのお化け屋敷。いろいろと理由はあるが、おもしろそうなのが1番の理由だ。
「ラブは大丈夫か?」
「は、はい!」
……そんなに大声で答えてくれなくてもいいんだけどな。そんなことを思いながら10分ほどで入り口まで到着した。
「1人250円です。」
「はい。」
様子がおかしいのでラブのぶんも払っておいた。
「では、恐怖の世界をお楽しみください。」
恐怖の世界なのに楽しむのか?
ガラッ
中を開けてみるとひやっとした空気が流れてきた。最初はクーラーか何かだと思ったが足元に煙みたいなものが見えたからおそらくドライアイスだろう。
「あれっ!?ここは!?」
ラブの意識がやっと戻ってきた。
「榊のクラスのお化け屋敷だ。」
「え!?」
ちょっとだけ顔の赤が抜けて白が強くなった。
「もしかして、こういうの苦手だったか?」
「い、いえ、大丈夫です。」
……大丈夫に見えない。しかし、中をほとんど進まずに出るのはさすがに失礼すぎる。……しょうがないか。
「ラブ。」
手をラブの前に差し出した。
「……え?」
「手にでもつかまってればそこまで怖くないだろ。」
「でっ、でも……」
「ならこのまま行くか?」
「……」
ラブは無言で腕に抱きついてきた。顔もさっきぐらいの赤さになった。……あれ?さっきのに戻るのはやばいのか?……まあ、青白いよりはいいか。
さて、進んでみたはいいが、雰囲気だけで意外と驚かしたりみたいなことがまったくない。感覚的には半分ぐらいは進んだはずだが、何もない。
そう思ったら突然明るさが見えた。出口にはまだ早いからおそらく何かがあるのだろう。
「いらっしゃいませ。」
そこにいたのは男をいすにしていた榊。
「だから、それはやめろと言っただろ!!」
そのあと説明を聞くと俺らが来たからこんな形にして驚かそうとしただけで、実際は普通にお化け屋敷をやっているらしい。というか、そうじゃなかったら即刻営業停止だ。
「……まあ、祭なんだ。これくらいの冗談で無粋なことはやめておこう。」
「じゃあ人をいすに……」
「それはだめ。」
「……ケチ。」
榊はしぶしぶと自分の持ち場に戻っていった。……判断間違ったかな。
「そういえば、ラブ、大丈夫か?」
腕にくっついたままだったから気絶とかはしてないはずだが、さっきからまったく言葉を発していない。
「……ラブ?」
反応がないので確認してみたら、相変わらず赤い顔でいた。一応、顔の前で手を振ってみるが反応なし。どうやら自分の世界に入り込んでいるようだ。
「……しょうがないか。」
俺はラブがこっちの世界に戻ってくるまでベンチにでも座っとくことにした。どうせ3時まで暇だし。
この話のオチ……ラブに膝枕をして人の少ない場所のベンチで回復を待っていたゼロはふと飲み物を買いに行くためにラブへの膝枕をやめたら目を覚ました。そしてそのまま予定へ。