9、10月−10 大丈夫か生徒会④
「次はここだよ。」
「ここは……」
「よくぞきてくれました、会長。」
マジさんの声。やっぱりマジさんのクラスだ。
「……」
「……」
「……」
「?どうしたんですか?」
みんなが固まってしまった。それもそうだろう。マジさんはまぶしいブルーの西洋っぽい服。マジさんが銀髪なのもあり、どこかの西洋貴族を思い出すような見た目となっている。
「……何ですか、その格好は?」
「ん?ああ。これは私のクラスでやる演劇の服だ。」
「もしかしてマジが主役?」
「はい。」
そういえばマジさんのクラスは演劇だったな。なるほど。大役ってのは主役のことだったのか。
「似合ってます、真島先輩。」
「ありがとう。」
「マジさんのクラスですし大きな問題はないでしょうね。」
「ところがどっこい!そうではなかった!」
「藤原先輩!?」
いきなりのハルさん登場。
「実はこのクラスは我らの組織に吸収されているのだ!!」
「え!」
また何か始まった。
「貴様らの平和は長く続かんと言ったはずだ。ここでお前らにやられた弟のかたき、とらせてもらうぞ。」
「妹じゃなくて!?」
そういうところを律儀にメエはツッコんでいた。
「もとより我らに性別などないわ!!」
「それこそ何で弟!?」
あいかわらずさわいでいるが、たしかにマジさんのクラスだからといってちゃんと調べないのは悪いことだ。
「いちおう確認させて下さい。」
「わかった。」
とりあえず衣装や小道具の確認をさせてもらうことにした。
「私は妹のようにはいかないぞ!」
「結局どっち!?」
「お前のようなチビチビ、超子供、ロリな体型のふと気付くと視界から消えてしまっているようなチビっ子などに負けるような雑魚ではないぞ!」
「なんでボクがそこまでいわれなくちゃいけないの!?しかもチビチビ言うな!!お前みたいなやられ役、かませ犬なんかにやられるつもりはないんだよ!!」
「お前こそかませ犬とか言うな!」
えっと……小道具は問題なしかな?うん、これくらいなら大丈夫だな。
「波動拳!!」
「覇道剣!!」
「くっ!なかなかやるようだな。」
「口ほどにもないね!こんなんじゃ負けないよ!」
「ふふふ……」
「な、何がおかしい!?」
「こんなもの力の半分も出してないわ!!」
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
衣装は大丈夫だけど、どういう話なのだろうか?統一性がまったくない。
「ボクはあきらめるわけにはいかない。たとえこの身が滅びようとも!!」
「な、なんだ!何をする気だ!?」
「ボクはあきらめない!」
「この光は!貴様!!正気か!!その技を使えばお前だってただでは……」
「言ったはずだ!お前を倒す!!たとえボクがどうなっても!!」
「や、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!しかし、私を倒したところで変わりはしない!!いずれまた魔王は現れる!!そのときにお前のいない人間はもう終わりだ!!」
「……君たちと同じだよ。ボクがいなくなったらまたボクの意志をつぐものが必ず現れる。なめるなよ、魔王。人間は……お前たちが思ってるほど弱くない!!」
……こっちもこれで終わりだ。
「よし、次に行くぞ、メエ。」
「OK!」
こんなわけのわからないわけのわからない寸劇もすぐにやめてくれるならほっといてもいいだろ。
「ところでハルちゃんにはつっこみなし?」
「……」
完全放置。