9、10月−9 大丈夫か生徒会③
続いて2年生の教室。
「ここからはハルちゃんのターン!!」
「……メエ、ここはスルーしないか?」
「ゼロが言いたいことはわかるけどダメ。」
やはりこういうことをするということはここの難攻不落の砦をこえていかなければいけないのか。
「ついにハルちゃんの時代到来!?それともこれはある伏線で実は私はある組織のスパイでゼロくんにばれて最後は屋上で撃たれて死んじゃうんだよ。」
このごろはハルさんの世界についていけないことが多くなってきた。じゃあ前はついていけたのかというとそんなことは全っ然なかったけどさ。
「ハルのところは何するの?」
「ふっふっふっ。私のところは白桜祭でこの学校を我が手中におさめる。そしてここを皮切りに日本、世界を侵略していくのだ!」
「な、なんだって!そんなことボクがさせない!ボクが生徒会長である限り、開明高校で悪さをすることは絶対に許さない!」
「お前ごときが我を抑えれると思っているのか?」
「ボクは生徒会長だ!できるできないじゃない。ボクは生徒を守らなくちゃいけないんだ!だから、ここで引きさがるわけにはいかない!!」
「……」
「……」
メエとハルさんの余興が続いている。
「……あれはどうしたらいいんでしょうか?」
「わからん。ただどうしようもないのはたしかだ。」
完全に2人の世界に入りこんでしまっているようだし、ハルさんが作りだした世界なんかに足を踏み入れたりしたら今度は俺たちが戻ってこれない可能性もある。
「……今のうちにチェックをしとくのが吉だな。」
「そうですね。ここは何をするんですか?」
「アスレチックみたいなものをやると聞いている。」
「みたいなもの?」
「これがやることです。」
一般生徒Aからやること表を渡された。
「えーとなになに……輪投げ、宝さがし……」
「アスレチックってそういうものなんですね。」
「……ウォール〇ラッシュ、クイズボディ〇ブレイン、ハイパー〇ッケー……」
「某テレビ番組のネタ!?」
「最後にクリアした数だけダーツをもらって、当たったところの賞品がもらえるらしい。」
「完全パクりです!どこかをまねているじゃなくてまったく同じです!!」
「……なかなか斬新な企画だな。」
「ええっ!!テレビつけたら当たり前にやってますよ!!日本国民の8割はわかりますよ!!」
?そうなのか?このごろはまったくバラエティーを見ないから全然わからないな。
「その程度の攻撃、まったく効かんわ!!」
「くっ!ボクの力では勝てないのか!?えっ……この光は……」
「な、なんだこの光は!?」
「力がみなぎる。そうか。これはボクのことを信じてくれている人たちの心の光。そうだ。ボクはこんなところであきらめちゃいけないんだ。いくぞ、魔王!!これがボクの、ボクたちの力だ!!!」
「ぐはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!こ、これで終わりと思うなよ。いずれ第二、第三の魔王がやってくる。貴様らの平和など長くは続かんからなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」
あっちも悪の魔王がやられたらしい。
「ただいまー。」
「おかえりなさい。」
「終わった?」
「ああ。問題なしだ。」
多少パクりはあるらしいが学園祭なんてそんなものだ。
「なら次!」
メエは何もしなかったがハルさんを抑えてくれたおかげで楽ができた。ん?ならメエは何もしていないわけじゃなくハルさんを抑えるということをやったということか?……気にしないでいいか。