7、8月−25 祭り終わればもうおしまい
「やっぱり会長であるボクが最強だよね。」
私の隣でメエちゃんが満足そうに浴衣コンテストの優勝賞品の花火セットを持っています。
「そういえば、ゼロはどこにいったの?」
「ゼロなら男の浴衣コンテストもあったみたいでマジに引っぱられていっちゃったよ。」
「そんなものがあったんですか?」
「……奥で踏むんじゃなかったのね。」
なんだか不吉な予想が聞こえました。
「つまり、ゼロくんも私たちみたいに浴衣姿で前に立ったり……」
思い出しただけで、は、はずかしい。
「ふ、ふ、ふ。実はこの浴衣コンテストは男のほうがイケメン出るから人気らしいよ。だから、男のほうは1人ずつ、なにか芸なりをしていいらしいよ。」
そうなんだ。ゼロくんだったら剣術を見せたりするのかな。
「メエちゃんはゼロが何すると思う?」
「わからないけど、たぶんバイオリン。」
「バイオリン?でも、ゼロくんはこんなところまで持ってきてるでしょうか?」
「わからないけど、なんとなく。」
『どうも、高月零夜です。』
「あ、ゼロだ。」
いつのまにかゼロくんの番です。
『バイオリンを弾かせてもらいます。』
「あたったー!」
「本当にあたっちゃいました。」
〜〜♪〜〜♪
ゼロくんの演奏が始まった。いつもより透き通った音が会場に響き渡り、祭りの音もどこか遠くに感じてしまう。ここだけ別世界のようだ。それを感じているのは私だけじゃなくてみんな聞きいっている。
「……zzz」
……メエちゃんは別みたいです。
「でも、前よりもきれいになってませんか?」
「そうだね。でも、音は人を映すらしいからね。でも、まだまだだね。」
「え?」
それだけ言ってハル先輩は何もしゃべらなくなりました。
コンテストはゼロくんが見事優勝。こうして、私たちの旅行は終わりました。
そんな帰路……
「……ええ、そうですか。……はい、わかりました。それじゃあ。」
ピッ!
「こんなところにいたんですか。」
「どうした、ラブ?」
「メエちゃんが呼んでますよ。」
「あいつはまた何をやらかすんだ?」
ぶつぶつ文句をいいながらメエちゃんのところにむかいました。
それにしても、さっきゼロくんが誰かと話しをしていた気がしたけどここには誰もいません。ゼロくんは機械オンチだから携帯電話は持ってないはずなんですけど……。
きっと聞き間違いだと思い私もメエちゃんのところに戻った。
「ゼロは何もらったの?」
それが聞きたかったことのようです。
「さあな。まだ開けてすらない。帰ってから開けるさ。」
「えー!」
この中身についてはまた別のことに関係します。
それはまたいつか。
今度は生徒会新聞!!