4月ー5 メンバー
言ったのは、金髪ポニーテールの少女だ。
まだ、俺などの他の面子は予想外の方向からのツッコミにポカーンとしてしまっていた。……俺はポカーンが好きだな。
「では、そのままわたしの紹介ということで。2年2組の生徒会財務、藤原晴だよ。みんな、よろしくね!!」
「うん。ボクも元気なのは大歓迎だよ。」
メエは歓迎ムードのようだが、あの人からはボケのオーラが見える。やべぇ、あの番組の次を狙える。
「この勢いのまま次、行ってみよう!」
なんか俺のときは勢いなかったみたい言うんだ?否定はしないけど。
「次は2人いるが、どっちが言うんだ?」
「じゃあ、そっちの小さいの。」
「お前がいうな!」
さすがにここはツッコミを入れないわけにはいかない。
「さすが会長専用ツッコミ。最強だぜ。」
「うれしくないです、ハルさん。」
「悲しまない、悲しまない。」
さらっとハルさんと呼んだが流された。もしかしたら思った以上の強敵かもしれない。
「ではでは、そこの少女よ、紹介をよろしく。」
「え、ええと、わ、私は……」
そこまで言って、クリーム色の髪をたらして、白い肌の顔を真っ赤にして固まってしまった。
そういえば、メエとかが話しているときも暗がりの中でもわかるほど真っ赤だった気がする。かなりのあがり症か。
「ほらほら、名前だけでも言ってよ。」
「会長としてもあなたの名前を知っておきたいんだよー。」
ハイテンションの2人に囲まれておどおどしている。なんかかわいそうだ。
「な、長峰愛佳です。」
どんどん小さくなっていく声でなんとか言いきった。
「よし、ならばみんなになじめるように高月にニックネームをつけてもらえ。」
「そこまで真面目な顔で言えるマジさんを本当に尊敬してしまいますよ。」
「ありがとう。」
まったくゆるがないのでとりあえずニックネームを考える。
「できるだけおもしろいの!」
「メエは黙ってろ。」
「なんで!?ボクって会長だよね!?」
『……』
「みんなだまらないでよ!!」
さわいでるメエはほっておくとして、ニックネームだ。たしか名前は……あっ、おもしろいのがうかんだ。
「なら、ラブだ。」
『ラブ!?』
毎回、リアクションの激しい生徒会だ。
「な、なんでですか。」
「愛佳だからラブだ。」
それでメエ以外のメンバーは理解してくれたようだ。
「だからなんだというの、ゼロ?」
「おバカ会長にわかりやすく言うと……」
「おバカって言うな!!」
「否定はしないんですね。」
マジさんのツッコミにメエはいじいじし始めた。ほっといても説明がむなしくなるだけだ。
「なあ、メエ。」
「……何?」
「お前はバカだがそれを補えるほどの長所がある。」
「それって何?」
「……まあ、それは、あれだ、…………………………君の心の中にある。」
さすがに悩みすぎた。これはごまかしたのがばれたか?
「そうだね。きっとそうだよね!」
よかった、メエがバカで!本当によかった。
「じゃあラブの次は最後の1人だよ!」
ああ。もうラブの名前の由来はどうでもよくなったのか。それはそれでさびしい気がする。
「ではではそちらのかたカモーン!」
ハルさんはハイテンションで自分の隣にいた少女を指さした。一応言っておきますけど、人を指さすのはマナー違反ですよ。
「……榊菜月よ。」
あっさりと挨拶は終えられてしまった。これだけ激しいメンバーの中ではものすごい希少価値があるな。まあ、見た目からして黒色のストレートヘアーに凛とした顔立ちは決して話し好きの顔には見えない。
「ねえねえ、もっと親交を深めようよ〜。同じ財務としてもさ〜。」
「あっ、ボクも……」
「だめです。」
マジさんが却下した。
「どうして?」
「これから部活動予算会議です。」
あれ?おかしいな?
「それは斑目先輩が投げだして手付かずのはずじゃないんですか?」
「すでに各部に今年の部費の仮案はだしているので、今日はそれについての質問などをする。」
……すみませんでした、斑目先輩。あなたを疑った俺がいけませんでした。
「ちなみに他の役員が勝手にやったそうだ。」
「俺の喜びを返してくれ!」
まあ、こんな感じで予算会議に会長、副会長が向かいました。はあ、また一波乱ありそうだ。
どうも、三寒四温を感じるこの頃、作者のヒッキーです。
今回は前回の続きといった感じです。次では生徒会がついに動く?
では、またどこかで。