7、8月−9 大半の学生がやってしまうよね
「かんぱーい!」
みんなでジュースを飲みだした。ちなみに俺やマジさんはもともとあったウーロン茶。他のはハルさんが持ってきたオレンジジュースや紫のジュース(たぶんグレープジュース)を飲んでいる。
「やっぱりこれからは個性が支配する時代だと思うんだ!だからこそ、生徒会も各生徒の意見を尊重すべきだと考える!」
「やっぱりせめるべきなんでしょうか?でも、強引なのは嫌われちゃうかもしれません。」
「お兄ちゃんはどこでどんな悪の組織と戦っているんでしょうか?」
「力こそこの世のすべて!わたしは最強!!」
……おかしいぞ。会話が成り立ってないとかそんな問題じゃない。
メエが真面目に生徒会について意見を言っている(たぶん本人は何かの受け売りをいってるだけだろう)。
ラブが、いつもならはずかしがって言わないようなことを簡単に言っている(たぶん実行にはうつさない)。
リンの兄がどこかのヒーローみたいな存在にされている(できればリンの兄は普通の人間であってほしい。)
フーちゃんは……いつもあんなものなのか?あまりかかわってないからわからない。
とにかく!これは異常だ!どれくらい異常かというと、メエがテストで満点をとるぐらい異常だ!
「なんでこんなふうに……」
そこまで言ってハルさんの持ってきた缶に目がとまる。おそるおそるそれを持ち上げて見てみると……
『これはアルコール飲料です。20歳以下の人は飲まないようにお願いします。』
「ハルさーん!」
「いやいやばれちゃったか。」
「しかも確信犯か!?」
ガシッ!
「は?」
誰かに足をつかまれ、そのまま倒された。
「いったい誰が?」
「ボクだよ。」
もう一度マウントポジションをメエにとられた。
「どういうつもりだ?まさか、まださっきのこと怒ってるとか?」
「ううん。」
「ならなんだ?理由もなしにこんなことしたって言うなら怒るぞ。」
「理由ならちゃんとあるよ。」
少し怖めに言ったはずだったが、やはり素面でもほとんど怖がらないメエが怖がるはずないか。
「ちゃんと言ってもらおうかなって思って。」
「?何をだ?」
「ゼロの好きな人。」