7、8月−6 まじれば意外と大丈夫
その後、だだをこねる子供をなだめるのに1時間かかった。
「カラオケ、カラオケ!」
このホテルについてるというカラオケをすることでなんとか落ちついてくれた。
「あ、あの……」
「どうもです!先輩!」
ん?この声は……
「リンにフーちゃん?」
後ろにはこの前とは違いかわいい制服でいた。
「あれっ?リンちゃんもフーちゃんもなんでここにいるの?」
そういえば、今日は開明高校に呼ばれた生徒会役員しかこれないはず。
「あれ?言ってませんでしたっけ?私たち鞘町中学の生徒会役員なんですよ。」
「なるほど。で、中学生って呼ばれてたの?」
「今年は中学1校、高校3校が呼ばれている。」
マジさんはいつからいたのだろうか?
「あれ?そんなに少ないの?」
「移動の料金は各校で自腹だし、開明高校とかかわりのある学校しか呼ばれないからな。むちゃくちゃ多いってことはないだろ。」
そんなことを話してると目的地についた。
「さあー!歌うぞー!」
さて、あとはほっとこう。
「大好きー。」
「ヒューヒュー!」
「ありがとう。ありがとう。」
さわがしくメエやハルさん、他の学校の生徒会メンバーが歌を歌っている。ちなみに、俺とマジさんは適当な壁にもたれて本を読んでいる。歌うつもりなどさらさらない。
「先輩もゼロくんも手伝って下さい!!」
そして、そんな連中のストッパー役をしているのがラブだが、1人ではきついようだ。
「私はパスだ。」
「俺もだ。朝からメエの相手をさせられて、しかもそれにハルさんや他の人間が増えた状態の相手なんてやってられるか。」
ラブはあきらめたように戻っていった。……いやならいかなきゃいいのに。
「あの……」
そんなことを考えてるとリンがやってきた。
「どうかしたのか?」
「高月先輩は歌わないんですか?」
「あれの中で歌えと?」
メエたちはホテルのどこにあったんだと言えそうなタンバリンやマラカスを持って暴れるように踊りながら歌を歌っている。しかも、そんなのが複数人いる。
「無理ですね。」
「だろ。それに俺は歌うのは好きじゃないからな。」
「そうなんですか?てっきり、かっこいいバンドみたいな歌を歌うと思ったんですけど。」
「歌えないってことはないけど歌うのが……」
「そんな高月先輩に歌ってもらいましょう!」
「は?」
いきなりリンにマイクをわたされて、まわりをさっきまでさわいでいたメンツがあつまっていた。
「リン、はめたな。」
「はめたんじゃありません。誘導尋問です。」
……こいつ、予想以上に腹黒いな。はぁー。
「歌ってやるよ!」
『おおー!!』
こうなったらやけだ!