4月−4 顔合わせ
「やっぱり気付いちゃった?」
おどけたような声で見たことのある金髪とイケメンが現れた。
「とにかく就任おめでとう。なかなかおもしろいやりとりだったよ。」
輝くような笑顔だ。これで自然体だというのだから、そういうところだけは尊敬できる。
「では、会長1名、副会長2名、書記1名、財務2名の引き継ぎを承認するよ。これで君らも正式に生徒会役員だ。」
正直、承認なんてしてくれなくてもよかったのに。
「さて、さっそくだけど放課後に役員で自己紹介でもしたあとに予算案を作成しちゃってくれ。」
「前会長は何もしてくれてはいないんですか?」
たしかにそこは重要だ。少しでも形があるなら、それを手本に考えればよいわけで。
「ない。」
はい、この人の性格を考えるとないのは明白なのに少しでも期待してしまい自己嫌悪。まあ、マジさんを頼るようにしよう。
「ということでとりあえず解散ね。」
とにかくめんどくさそうだ。
「ということで第1回自己紹介ー!!」
メエよ。元気よく言うことは評価するが、この面子で2回目はまず確実にないだろう。
「ではまずは、ボクが新生徒会長の佐倉芽だよ!長所はイケてるところ!」
はい、みんなポカーン。
「メエのどこにイケてる要素があるんだ?」
「さあ、続いて副会長2人!」
俺の意見は却下どころかスルー。
「まずは先輩から!」
薄茶色のショートをなびかせてマジさんを指さした。なかなか肝がすわっているのかとも思うが、たぶんただ単にバカなだけだと思う。
「副会長の真島だ。よろしく。」
銀の長髪は近寄りがたい感じもあるがやっぱりイケメンだ。
「長所は眼鏡だ。」
またポカーン。
「冗談だ。」
本当にこの人は、真面目な顔でボケも言うからまったく予想がつかない。
「まあ、じゃあ、次はゼロね。」
「なんかどうでもいい感じだな。」
「大丈夫だ。私は絶対にお前を裏切りはしない。」
真面目な顔でありがとう。でもマジさん。一人称が私だと性別が読みとりづらいな。まさに文字通りで。
「まあ、俺は高月零夜だ。主に会長への反対勢力とツッコミ担当をさせてもらう。」
「できれば生徒会全体のツッコミを頼みたい。」
さすがマジさんだ。ツッコミのポイントを完璧なまでのずらしをしてきた。
「ちょっと待って!何?ゼロは私の敵。」
「大丈夫だ。常に中立と敵のはざまで揺れておく。」
「会長側ないじゃん!」
急に静かだった他の役員が楽しそうにツッコミをいれた。
どうも、春眠暁を覚えず、作者のヒッキーです。
こんな生徒会が実際にあったら面白いけど……ないよね。第1回自己紹介は続きます。